過去‐パスト‐part1/少年の悪夢
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イズを助けられるかもしれない。だが、サイトに握られているデルフは、はぁ?とため息を漏らした。
「何言ってやがんだよ相棒。あの娘っ子を助けるだ?寝ぼけてんのか?」
「寝ぼけてるって…ルイズが危ないんだぞ!!なにやる気のない声出してやがんだ!」
デルフは普段はいい加減だったり調子のいいことを言ったりするタイプの人格なのだが、戦闘態勢時にはちゃんとその事態に対応した態度をとる奴だ。けど、こんな時に限って…デルフの様子がサイトが考えているものとは違っていた。
「お前さんは皇太子を助けられる力を持っていたにもかかわらず、それを使おうともしなかったんだぜ」
「…!!」
デルフの声が、冷たくて重苦しかった。そのプレシャーにサイトは言い返せなかった。すると、いつの間にかサイトを見ていたシエスタとハルナまで、冷たい視線で射抜くようにサイトを見ていた。
「そうですね。あなたにはあの時、王党派のみなさんを守れるだけの力があったはずですよ?だって、サイトさんはウルトラマンですからね」
「でも、平賀君はそれを使おうとしなかった。ゼロの力も存在も疎ましかったから」
あの時、それはルイズとワルドの結婚式が総崩れとなった時だ。ワルドが操る謎の飛行兵器ジャンバード。ウェールズによると、あれは始祖ブリミルが乗ってきたとされる伝説の秘宝とされていた。なぜ地球の科学力でも分析が難しそうなほど精巧な機械が、科学が存在しないこの世界に神の残した宝物として存在しているのかはわからない。
だが今、デルフたちが言いたかったのは、あれの脅威から王党派の皆を守るためには、自分がどうかしているウルトラマン…ゼロの力を借りなければならなかったということ。だが、サイトはゼロとの深い亀裂が走っていた以上、それは無理があった。
「だったら、恥を忍んで頼むまでだ!」
その声を聴いて思わず振り返ったサイトは目を疑った。目の前に、容姿も服装も顔も、自分と全く同じ姿をした少年が経っていて、ワルドと自分の間に立って叫んでいた。
「ゼロ、俺に力を貸してくれ!ルイズたちを助けるには、お前の力が必要なんだ!」
頭上を見上げ、自分と同じ姿をした彼は、どこかで見ているであろう、ウルトラマンゼロに頼み込む。が…その返答は当然と言えば当然の答えだった。
「はぁ?さんざん俺のことを否定しやがったくせに、今更何言ってやがんだ?」
サイトも頭上を見上げ、その返事をした人物の姿を目にした。今の自分…平賀才人のもう一つの姿でもあるM78星雲光の国からの宇宙人『テクターギア・ゼロ』である。
「星人共の噂通りだな。地球人ってのは、ずいぶん自分に都合よく考えやがるんだな。どうせこう思ってんだろ?『ウルトラマンなんざ、地球の味方をして当然』だってな」
見下すような声を挙げながら、自分と目の前のにいる、もう一人の平賀才人を見下ろ
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