過去‐パスト‐part1/少年の悪夢
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れようとするサイト。
「待ってくださあああああい!!!」
しかし、そこへ誰かが二人の道を阻むかのように、二人の前に現れた。
「サイトさんを学校へお連れするのは、私の役目です!!」
それはなんと、ハルナと同じ学校の制服を着たシエスタだった。確かにこれは、思わずアニオタが俺の嫁!と言いたくなりそうなほど可愛らしい着こなしだったが…
「どうしてシエスタが学校の制服を!?」
「そんなの当り前じゃないですか!私とサイトさんは同じ学校に通っているんですから!」
いや、それはおかしい、そもそも異世界人である彼女がサイトと同じ学校の制服を着ているとは思えない。
が、シエスタにとって聞きたいのはそんなことじゃない。
「それよりサイトさん、この方は誰なんですか!?」
シエスタはサイトの手を引っ張っているハルナを指さす。その目に宿る炎は、男にとってこれほど恐ろしいものはないほど燃え盛っていた。しかし、それはハルナも同様だった。
「平賀君、誰なの事人!?やたら平賀君に馴れ馴れしくない!?」
「え…いや…その…えっと…」
なんて説明したらいいんだろう…。実は異世界からやってきた留学生です、なんて言っても言い訳にもなりそうにない。
「一人恋色沙汰に明け暮れているとは、ずいぶんと幸せそうだな、ガンダールヴ」
その声は、今の情けないプライベート満喫状態のサイトを、意識だけでも戦闘態勢へ切り替えるには十分だった。言い争いを続けているハルナとシエスタを放って後ろを振り返ると、今のサイトにとって許し難い男の姿が目に家った。
「いや…『ウルトラマンゼロ』」
「ワルド!」
なぜワルドが、自分のことをウルトラマンゼロと呼んでいたのかは、おそらくここが夢の中だからなのだろう。それでもサイトは、ワルドに気を許す気にはなれなかった。たった今の奴の言い回しからして、仲良くしましょうなんて言いに来たなんて雰囲気でさえもないのだから。そして何より、今の奴の腕の中には、彼女が捕まっていたのだ。
「た、助けて…サイト…!!」
「ルイズ!」
「くっくっく…さてガンダールヴ。迂闊に手を出そうとするなよ?でなければ、貴様の大事な主の首が我が魔法で刎ね飛ぶぞ?」
「てめえ…!!」
こいつ、ウェールズ皇太子だけに飽き足らず、ルイズにまでこんな真似を…!サイトの怒りのボルテージが上がっていく。そうだ、こいつのせいでウェールズ皇太子は…!!
「デルフ!」
自分でもどんな方法でやってのけたかはわからない。ただ夢の世界だからこそこのように都合のいいことが可能だったのか、サイトの手には相棒のデルフが握り締められていた。
「ガンダールヴの素早さで突っ込めば、ルイズを助けられるかもしれない。力を…!」
ワルドの魔法は鋭くて威力が強い。でも、攻撃に徹さず素早い動きで翻弄しながら突っ込めばル
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