第四章
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友の父親である国教会の司祭や財界の有力者、知識人の声まで借りてようやく両親を説得したのだ。両親は最初彼を何処かの名門貴族の家に婿入りさせるつもりだった。しかしナンシーに惚れ込んだ彼にそんな気持ちはなかった。そして両親を口説き落としたのである。
次に彼はまたしても連日連夜あらゆることをして調べ上げたナンシーの家に行って彼女と彼女の両親を口説き落とした。そうして遂に彼女と婚約したのである。あまりにも一途な執念であり皆その彼に対して呆れながらも称讃の声を送った程であったのだ。
そんな彼だから実はナンシーに尽くしているつもりだったのだ。彼女の為の騎士だと実にイギリス貴族らしいことを考えていたりもした。この際彼女の気持ちは考えていなかった。実はナンシーにしろこの時たまたま誰も彼氏がいなくて何となく寂しい想いをしていたのだ。するとそこにジョゼフがやって来て何時の間にか婚約者になっていたというわけだったのだ。実際のところジョゼフばかりがお熱の恋愛であると言ってもよかった。
彼は彼女を好きだが周りは見えていなかった。彼女の姿だけを見ていた。他のことには気付きもしなかったのである。しかし今それが変わったのであった。
「それだったのだ。私は馬鹿だった」
「それで若様」
イアンは彼に問う。
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