1部
3話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
動揺する姉はいないだろう。だから見せてやろう……防御ではなく攻撃の回天を、な」
私はネジとの距離を詰め、彼に向かって手を伸ばす。彼は私が打撃を放つと考えていたようで、柔拳で受け流す準備はしていたようだが単純に掴まれるというのは予想していなかったようだ。私はネジの服の襟を掴んでから一言だけネジに伝えた。
「ネジ、耐えろよ」
「え?」
「八卦掌回天・纏」
ネジを掴んだ状態で私は点穴からチャクラを噴出し、体を回転させる。結果、掴まれていることにより吹き飛ぶことなく、物理的な圧力を伴ったチャクラの噴出に全身晒され続けることになる。言ってしまえば、回天を押し当て続けるという事だ。
とはいえ、今回掴んでいるのは服の襟だ。すぐに千切れてネジは回天に弾き飛ばされることになる。
「どうだ?これが私の回天だ、ネジ」
「はぁ、はぁ……無茶苦茶だ……」
「なに、これでも手加減しているのだ。本来ならば掴むのは手足か首だ、今回のように引き千切れることもそうそうないだろうし、千切れれば出血多量か即死だ。加えて、周囲の木や岩に叩きつけることもなかっただろう?」
それは周囲から見れば私は掴んだ相手を布のように体に纏っているらしく、そこから八卦掌回天・纏と名付けたのだ。
「相変わらずあなたの技は相手を生かすという考えはないんですね」
「当然だろう?戦い扱う技術で相手を殺す以外何をするというのだ?
技とはそういうものだろう、そこにどれだけ理由を付けようと結局行き着く先はどれだけ殺傷能力が高いかという話だろうが」
「……あなたらしい考えですね、ヒジリ様」
「私はそういう物なんだよ、ネジ。また来るといい、今度は何かを美味いものでも作ってやる」
ネジと別れ、再び台所に立って色々と用意を始める。
まず、常温で柔らかくなったバターにシナモンと砂糖を加えて混ぜ合わせる。それが十分混ざり合ったのを確認し、フライパンでアーモンドを炒る。焦がさないように注意しつつ、全体に火を通す。それを終えたらクリームチーズとバター、砂糖を混ぜ合わせて、少しだけマーマレードを加えてレンジで温めて溶かす。
時計を見て、ヒナタの夜の稽古の時間を確認する。ふむ、あと一時間……問題なく間に合うな。
生地が最初の倍程の大きさになったのを確認し、生地に溜まっていたガスを抜いて再びふきん被せる。ここからまた十五分程放置する。
ふむ、ネジも帰ったことで暇になったな。仕方ない、本でも読みつつ気を紛らわすとしよう。最近は歴史物ばかり読んでいる気がするが、いいだろう。日向は木の葉の里が誕生する以前から続いていたようで、一部記述が抜けているものの木の葉の里の成り立ちなどが記されている。
「元は議会制に近い形だったが、力のずば抜けた千手一族とうちは一族が徐々に権力の中心
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ