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日向の兎
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まったのを確認し、混ぜ合わせた粉にゆっくりと注ぐ。
「ヒジリ様、署名を忘れて「コロスゾ?」……失礼しました」
粉が固まるまでしっかりと混ぜる。そして、ある程度固まった事を確認してここにバターを投入して生地が固まるまで捏ねて叩く。
ふむ、そろそろいいだろう。生地が薄く伸びるようになったので一度纏めて、上に濡れたふきんをかけてしばらく放置だ。今からざっと一時間放置しなければならないので、ネジの用事を済ませるとしよう。
彼は律儀にも離れの玄関前で書類片手に立っていた。
「待たせたな、そこに書けばいいのか?」
「はい」
む、今年入学して来年卒業……仕方ない、ネジの役割上仕方ないか。同じ学年でなければ監視はしにくかろうよ。
「これでいいか?」
「はい、後日教材等が送られてきますので、詳細はそれを確認してください」
「そうか、ご苦労……と言いたいが、このまま帰らせるのも些か礼を失するだろう」
私は本邸に戻ろうとするネジを呼び止める。細かい準備がまだ残っているとはいえ、まだ三十分は暇な時間があるのだ。
「少し、遊んでやろう」
「……いいでしょう。あなたに挑める機会などそうありませんからね」
振り返ったネジは既に白眼を発動させ、準備は万端という様に私に相対する。
「何処からでも来るといい、なに姉だからと言って遠慮はいらん」
「あなたを姉と思ったことなど一度もない!!」
ネジは私に近づきチャクラを込めた掌底を放つ。防御もせず直に当たれば内蔵系に多大なダメージを貰うことになるだろうが、柔拳だろうが剛拳だろうが打撃である事に変わりはない。特に柔拳は回避や捌きによって相手の隙を生み、一撃に重きを置くのが主な戦術だ。故に一手回避すれば、二手目を処理できるよう体勢を立て直すのは容易い。
片足だけ半歩後ろに下がり掌底を回避する。が、どうやら私はネジを過小評価していたようだ
二手目は遅いと考えていたが、いやはや分家でこれができるということは、独学のみで手に入れたということか。
八卦掌回天、全身の点穴からチャクラを噴出しつつ、体を回転させることで攻撃をいなす宗家の技だ。本来は防御用の技だが、利点として予備動作が殆ど無いということと至近距離で当てれば相手を吹き飛ばすことくらいはできる。その二つが重なることで、回天を終えた時の隙を突くのはかなり困難になるのだ。流石に遠距離特化相手であれば話は変わってくるが、そもそもそういう状況に置かれること自体問題だ。
いや、今はそんな事などどうでもいい。結果、私はネジに吹き飛ばされ受身こそ取れたものの一杯食わされた。
「なるほどなるほど、ネジ、君は本当に天才のようだな。独学のみで回天を習得するとは驚いた」
「……そう言うならもう少し動揺してください」
「いやいや、弟の成長に喜ぶのならともかく
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