暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
幽鬼の支配者編
EP.21 動乱
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に入り込む魔導士……仕事で偶然マグノリアを訪れたと考えるほど、ワタルは楽観的ではなかった。
 精神世界に引きずり込まれて時間の感覚が曖昧だったためか、ワタルの足も早まっていく。

「くそ、嫌な予感が……雨?」

 走っていると急に頬に冷たい物が当たったかと思うと、一気に雨足が強くなっていく。雨が強くなれば強くなる程、感じられる魔力も大きなものになっていったため、魔力の源を特定するのは、ワタルにはそう困難な事ではなかった。

「見つけた。あれは……!」

 人気のない道路で、傘をさしている青いドレスの女と片眼鏡を掛けた茶色のスーツの男が立っている。彼らの正面には人一人を包んで余りある水球が浮遊しており、その中には……

「ルーシィ!!」




 幽鬼の支配者(ファントムロード)のエレメント4、大海のジュビアと大地のソルはマスター・ジョゼから任務……『ルーシィ・ハートフィリアの捕獲』を受けて、手薄になったマグノリアに侵入し、目的のルーシィと接触、ジュビアの“水流拘束(ウォーターロック)”によって彼女を拘束していた。
 任務は8割がた終了、後はルーシィをマスター・ジョゼの待つ幽鬼の支配者(ファントムロード)の本部に連れて行くだけ……二人が任務の成功を確信していたその時だ。

「ルーシィ!!」

 男の叫び声に二人が振り向くと、目前に巨大な手裏剣が迫っていた。
 ソルは地面と同化する事によって、ジュビアは身体を水に変える事によってやり過ごすも、それは逃げる機会を失ったという事に他ならない。

 二人のいた場所と、意識を失って水の中を漂うルーシィの間に、怒りの表情のワタルが降り立ったのだから。

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