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静かな気持ち
第一章
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を見ても表情を変えない。
「やるというのなら」
 すっと動いた。素早いフットワークであった。
「んっ!?」
「速い」
「行くぞ」
 左右に動いている。ウォーミングアップであろうか。その動きはまさに熟練の動きであった。
「ボクシングでもなあ。武器を持っている相手には」
 その動きを見ても男達は強気だった。やはり数と得物のせいであった。
「適わないんだよ」
「今それを教えてやるぜ」
 襲い掛かる。しかしジョゼフは涼しい顔をしてそれに向かう。
「来たか」
 構えを取ったまままずは左に動いた。
 そして左から来るナイフを持った男の腹を撃つ。それで彼は蹲った。
「うぐぅっ・・・・・・」
「まずは一人」
 すぐにまた動く。今度はその側にいる黒い髪の男のテンプルを撃つ。一撃で倒した。
「なっ、こいつ」
「もう二人も」
 残った男達はそれを見て驚きの声をあげる。
「まぐれだ、まぐれ」
 中の一人が言った。
「安心しろ、幾ら何でもな」
「まぐれだと思うのか」
 ジョゼフはそんな彼等に対して言う。
「だとすれば喧嘩は止めておいた方がいい。何時か取り返しのつかない怪我をする」
「偉そうに言ってんじゃねえっ」
 耳にピアスを色々と付けている男が鉄パイプを横薙ぎに出してきた。これならかわせないと思ったからだ。
 だがそれは甘かった。ジョゼフは一旦後ろにステップした。それで呆気なくかわしたのであった。
「なっ」
 あまりにも派手に払ったので態勢を崩した。それが間違いであった。
 そこに前にステップしたジョゼフの一撃が来た。ガラ空きになった顎に一撃を受けた。それで彼もノックアウトされたのであった。
 また一人やられた。そこに赤髪の男が来るが彼もアッパーで倒された。
「後二人か」
「チィッ」
「さあ、彼女を離すか」
 倒れた四人の男の間に立って言ってきた。
「どうするのだ?」
「わかったよ」
 リーダー格の大柄な男が言ってきた。
「離せばいいんだろ、離せば」
「そうだ」
「わかったよ。じゃあ」
「仲間達は手加減はしておいた」
 ジョゼフは彼女が離されたのを見て述べた。
「しかし気を失っている。すぐに病院に連れて行くのだな」
「ちっ」
「これに懲りて二度とこんなことはしないことだ」
 そう言って彼は少女を離させてその場を後にした。そして自分の屋敷へと帰るのであった。
 屋敷に帰ると。いきなり若い黒髪をオールバックにした執事が出て来た。
「若様」
「どうした、イアン」
 ジョゼフは落ち着き払った様子でいささかむっとした顔の彼に顔を向けてきた。
「そんなに怒って」
「先程警察から電話がありました」
「そうか。早いな」
「早いなではありません」
 彼はこう言って主を咎める。
「また
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