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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第六十五話
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も少ないのだ。そんな村に魔物の群れが襲ってくれば村が確実に崩壊することは幼い子供でもわかる事であった。
しかし…それと同時に子供は思った。


『自分が『力』を使って魔物を撃退したら、きっと今度こそ皆は自分を見てくれる!手を差し伸べてくれる!』


幼い子供なりに考えたそれに、子供はその考えを信じて一人、魔物の群れに闘いを挑んだ。
幾ら風を操る『異能』を持っていても所詮は子供…魔物の群れとの闘いは明らかに苦戦であった。
それでも子供は『きっと皆が自分を見てくれる』と信じて魔物の群れと傷つきながらも、返り血を浴びながらも闘い続け…そして子供はなんとか魔物の群れを撃退することに成功した。


『これでやっと皆に見てもらえる!僕は救われるんだっ!』


子供は負った傷や浴びた返り血も気にせず村へと走った。やっと認めてもらえる、また両親と笑って暮らせる家に戻れる。そんな想いを胸と頭いっぱいに描いて。
…だが…戻った村でその子供が魔物の群れを撃退しは話を聞いた村人から出た言葉は……──



『──く、くるな…っ!この…化け物めぇっ!』



…村人の言葉はある意味…間違ってはいなかっただろうね。村人が適わないだろう魔物の群れをたった一人の子供が返り血と傷だらけで笑って『自分が倒した』というんだから。
だが、その一言で子供は理解した。


『ああ、そうか。…僕は『ヒト』じゃなくて『化け物』と見られていて、そして…僕がヒトを信じ続けた結果が…『こんなもの』だったんだ』





─────────────────────



「──…そこから先に起こった事は子供は覚えていない。次に意識が戻った時に見たのはヒトも、物も…全てが消え失せた村の跡だった。…そしてその後…子供は成長し、騎士となり…そしてヒトを、世界を捨てたのさ」


結晶の岩に腰掛けたまま、思い出すような表情でそう語りを終えたその時の子供であっただろうサレ。
そんなサレの過去を聞いた僕達は少なからずとも思わされる所があった。
その僕達の表情を見たサレはクスリと笑うと座っていた岩から立ち上がり静かに口を開いた。


「僕が言いたいことはそういう事さ。どうせ人を信じた所で裏切られるのが結果…。そんなくだらないヒトだらけの世界なら…捨てた方がいいだろう?」


「…っ!でも人は変わっていける!少なくとも…私たちはそれを見てきたよっ!」


「でも、それはあくまで『君が見た結果』だろう?」


「っ!」


サレの言葉にカノンノは真っ直ぐとサレを見て言い返すが、サレはそれを切り捨てるようにそう言った。


「そう…人が変わったかどうか決めるのは『君達』じゃない。『その人自身』さ。そして本当に変わっ
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