リュミエール初代領主選定戦A
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「見えるさ」
シオンは剣をジェラールに向け、言う。
「生憎、今の俺の間合いはこのフィールド全てだ。簡単には斬らせねーよ」
「ク、ハハハッ!面白い!!」
ジェラールは刀を構える。
「行くぞ、お前の剣見せてもらうぞ!!」
「ああ、本気で来い!俺もそれに答えよう!!」
ジェラールは再びシオンに接近する。そのスピードは先程の比ではなかった。
「ハァアアアアアッ!!!」
ジェラールの刃が重くのし掛かる。シオンはすぐさまそれを剣で受け流し相殺する。
「流石は決勝に上がってきただけはあるな!」
「お前もな!!」
激しい剣と剣のぶつかり合い、その光景に誰もが興奮した。
火花を散らす二人の顔は───
「二人とも、笑ってる・・・」
「まったくあんなに楽しそうにやるとは、こっちまでウズウズするしてくるよ・・・」
二人の顔を見てエリーシャは目が離せなくなった。誰もが思う、この光景が終わってほしくないと。
しかし、戦いはいつかは終わらせなくてはならない。
「ハァ、ハァ、そろそろ、終わらせないとな・・・」
「ハァ、ハァ、そう、だな・・・」
シオンとジェラールは睨み合いながら剣を構える。
そして同時に踏み込んだ二人は渾身の力を込める。
「ハァアアアアッ!!!」
「ウォオオオオッ!!!」
刃が衝突した瞬間、同時にフィールド一体が土煙に包まれた。辺りは衝突によって生まれた衝撃波が駆け巡る。
「ど、どっちが勝ったの?」
「おい、あれ!!」
土煙の中には二つの影、両者ともに倒れずに天を仰いでいた。
煙が晴れるとスクリーンに二人のHPゲージが映る、そこに映っていたのは僅差で片側のHPがレッドゾーンに入っていた状態だった。
「当主選定戦、決勝、優勝者は・・・」
煙の中にいる勝者はゆっくりと拳をかかげた。
そこで拳を掲げていたのは───
「悪いな、勝たせてもらったぞ・・・!」
「“白き流星”、シオン!」
勝者のコールがでた瞬間、観客席はスタンディングオベーションで歓喜した。
これはシオンが勝ったというよりは、これほどの熱い戦いをしてくれた二人に対する感謝のものだろう。
シオンはジェラールに手をさしのべる。
「なかなか、楽しかったぜジェラール」
「俺もだよ、久々だこんなに熱くなったのは」
固い握手を交わす二人に会場は拍手に包まれた───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
選定戦から二週間、俺は書類の処理におわれていた。
「これで、ラスト!」
俺は最後の書類に判を押すと、大きく伸びをした。
「お疲れ様、こ
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