リュミエール初代領主選定戦A
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ずっと待ってたんだ。楽しませてくれよな」
「そうかい、なら期待に添えるように善処しよう」
シオンは剣を抜きながら答える。二人の間にはカウントダウンが表示される。
刻々と迫るその時間はシオンの頭の中を切り替える。
「さあ、始めようか」
カウントが0になり、先に動き出したのはジェラールだった。シオンに向かって剣を振り下ろし、シオンはそれを受け止める。
「いけない!」
「遅ェ!!デスアイズ!」
ジェラールの両眼は黒紫色に鈍く光る。これがエリーシャの動きが一瞬止まった原因でもある。
このデスアイズに睨まれたものはその動きを封じられる。しかしその姿は他人には見えず、認識ができないのだ。
「だから、俺たちにはなにも分からなかった・・・」
「分かったところでもう遅いんだよ!!」
「シオン!!」
ジェラールはシオンに剣を振り下ろす、誰もがその剣を止められないと思った。
しかし───
「そうか、ならばその領域を越えるまでだ」
シオンの剣がジェラールの一撃を防いだのだ。
ジェラールはワンテンポ遅れるようにして驚愕する。
「なん、だと!?」
「俺の“餓え”はお前の眼を越える」
「そんなバカな!?デスアイズが効かないなんて、そんなこと・・・」
「確かにお前の能力はスゲーよ。感覚の殆どをシャットアウトする魔眼、剣で受けても間接的に餌食となる。なら、対処法は二つ」
シオンはジェラールが驚く中、更に続ける。
「一つ、間接的に餌食となるならはじめから接触せず遠距離から攻める、だがこれは広い場所に有効なだけで、このフィールドではいずれは接触することになる。なら、二つ目はなにか。それは・・・」
「まさか、お前・・・」
シオンはニヤリと笑い、とんでもないことを言った。
「そう、はじめからほぼ全ての感覚を切ればいい」
「そんなこと、不可能だ!」
「確かに無理だな、システムを書き換えない限りそんな芸当は出来ない。だが、それを擬似的に行うことはできる」
「擬似的に、だと?」
「ああ、この世界に普通にある魔法。“幻惑魔法”ならな」
シオンの作戦、それは自らに幻惑魔法をかけはじめから全ての感覚を切って僅かな聴覚だけを残し、対応するという。原始的なものだった。
「なら、どうしてお前は動けるんだ?感覚を鈍らせたところで、動けるわけが」
「こんな中途半端な拘束、向こうの裏ボスに比べたら大したことねーんだよ」
シオンはSAOで戦った《The DoomMssenger》(16話参照)を思い出す。あれに比べれば今の拘束は可愛いものである。
「だが、感覚を切って俺の動きが・・・!」
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