リュミエール初代領主選定戦A
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「おい、シュタの字!そりゃ、どういう意味だ!」
シュタイナーの言葉にクラインは立ち上がり声を荒げる。しかし、シュタイナーはそれを冷静に対処する。
「別に、シオンが弱い訳じゃない。今の彼では勝てないというわけさ」
「今の、シオン?」
「今のシオンは剣に迷いがある。たぶん、エリーシャの敗北を引きずっているんだろうね」
「でも、それれだけで・・・」
「剣は鈍らない、まあ、原因は敗因にあるんだろうけど・・・」
シュタイナーがそう言った直後準決勝の勝敗が決まり、結果はシオンの辛勝だった。
シオンは肩で息をしながらコロシアムから去っていくのを見て、シュタイナーは立ち上がった。
「どうした?」
「ちょっと用を思い出したから一旦席を外すよ、すぐ戻る」
そう言ってシュタイナーは在る場所へと向かった。
シュタイナーはそこへ行くと、一人のプレイヤーに声をかけた。
「随分と苦戦したんじゃない、シオン?」
「・・・・・」
シュタイナーの問いかけにシオンは黙ったままだった。
シオンのその姿に頭をかくと、
「まさかとは思うけど、エリーシャの敗因とあの頃を重ねてるんじゃないよね?」
「ッ・・・!」
「図星か、別にいいけどさ。これだけは言っておく」
シュタイナーはシオンの襟を強引に掴むと、壁に叩きつけた。
「俺を怒らせるなよ。お前の戦い方はこんなんじゃないだろ?」
「シュタイナー、お前・・・」
シュタイナーはシオンを離すと、その場から去った。
そして去り際にこんなことを言った。
「僕に手合わせを頼んだときの餓えをもう一度見せてみなよ」
シュタイナーが去った後、シオンは試合が開始されるまでそこに座り込んだままだった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
トーナメント決勝、ここでは今まで禁止となっていた飛行行為が解除される。つまり決勝は全てを尽くして戦うことになる。
シオンの相手はジェラールという男の刀使い、エリーシャに勝利した男だった。
「やっぱり、上がってきた」
「アイツが・・・」
フードを被っており顔が見えないが、異様な雰囲気を醸し出していた。
「ただいま」
「あ、シュタイナー。何処にいってたの?」
「ちょっと、眼を覚まさせに行ってきた」
シュタイナーの言葉にエリーシャは首をかしげる。そんなときにジェラールとは反対側のゲートからシオンがやって来た。
「出てきたな、“白の剣士”」
ジェラールはシオンの姿を見るとニヤリと口角をあげる。
「アンタとやりあえるのを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ