リュミエール初代領主選定戦A
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決勝トーナメントは波乱の展開を向かえていた。
トーナメントはランダムの結果、Aブロックにシオン、Bブロックにエリーシャが振り分けられており、初戦での対決は免れた。
二人は初戦、二回戦、三回戦と危なげなく突破し迎えた準決勝、シオンのもとにある一報が届く。
「エリーが敗けた!?」
「ええ、しかも僅差ではなく圧倒的によ」
エリーシャが準決勝で敗北を喫したのだ。しかも圧倒的に。
その結果にシオンは驚きを隠せなかった。
「キリト、エリーの戦いで何か違和感はあったか?」
「俺もそれを疑ったんだが、生憎そんなことはなかった・・・」
キリトは首を横に振ってそう言った。シオンは何があったのかを聞くべく、エリーシャのもとへと行った。
「エリー、一体何があった?」
「シオン、気を付けて。アイツは・・・」
エリーシャはシオンに戦っていたときの出来事を全て話した。
そしてシオンはその言葉に驚愕する。
「呪術、だと・・・!?」
「たぶんね。私が戦った時、突然身体が動かなくなって気がついたら敗けてた・・・」
「そんな、バカな・・・」
シオンは今までにない壁にぶち当たっていた。幻惑魔法はあっても呪術なんてものはおそらく存在しない。そんなもの相手に、どう戦っていいかなんてわからなかった。
「シオン、たぶんアイツは決勝に上がってくる。その時は分かってるとは思うけど・・・」
「ああ、気を付けておく・・・」
正直、気を付けておくというのは嘘だった。本人は分かっていた、データが殆どない相手に対してノーリスクで戦えるほど彼は器用ではない。
ましてや殆どのステータスが吹っ飛んだ彼にはあまりにも分が悪かった。
『だが、やるしかない・・・!』
彼はそう思い、準決勝の舞台へと向かった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
準決勝の相手は大剣使いの近接型、体格はシオンより大きいパワータイプだった。その相手にシオンは苦戦していた。
「グッ!クソッ!」
それを観客席から見ていたキリトたちは動揺していた。
「おい、シオンの野郎ォ・・・」
「ああ、珍しく押されてるな」
「シオンさん・・・」
「なにやってんのよアイツ・・・」
クライン、エギル、シリカ、リズはシオンの戦いを心配そうに見守る。
そんな中、一人冷静に試合を観戦する者がいた。
「シュタイナー?」
「キリト、この試合勝つと思う?」
「えッ・・・?」
「僕はね、この試合は勝つと思うよ。ただ・・・」
シュタイナーはシオンの太刀筋を見ながら手を口に当てる。
「決勝は間違いなく敗ける」
「なッ!」
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