第一話 アクセルSIDE1
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え?あ…すぐに分かるよ」
向かった視線先は見上げる程に高い真っ白の扉であった。
赤文字で“集中治療室”と書かれている。
アクセル「(医務室!?)」
それを見たアクセルが驚く。
ルインが室内の人物と短い言葉を交わすとドアが開いた。
そこから…。
ルイン「エックス…、大丈夫?」
エックス「ああ…大丈夫だ。君がアクセルなのか?」
身体に入った痛々しい傷を負いながらもそれを感じさせない表情でエックスはアクセルに声をかけたが、今のアクセルにはエックスの声は届かなかった。
アクセルが初めて見たエックスは大人びた雰囲気と少年の幼さが同居しており、瞳の色が自分と同じで嬉しかった。
しかし、歴戦のハンターが何故医務室に、という事実がアクセルを現実に引き戻した。
アクセル「エックス…!!何があったの?医務室なんて…何でそんな酷い怪我してるのさ!?」
その問いにエックスは微かに笑う事情を説明する。
エックス「バスターが壊れていたらしくてね…それでイレギュラーから攻撃を受けてこのザマだ」
アクセル「…大丈夫なの?」
エックス「…大丈夫だ。バスターさえ修理すれば今まで通り戦えるはず」
アクセルの口から出た言葉にエックスは大丈夫と答えた。
その声はとても力強く、自信に満ちていた。
ゼロ「おい」
今まで黙っていたゼロが口を開く。
ルイン「何?」
ゼロ「何?じゃない。そいつは今回の騒動の関係者だろう。何者だ?」
ルイン「あ、うん…この子はアクセル。元はレッドアラートの戦士で、最新型の戦闘用メカニロイド、メガ・スコルピオに追われていたの」
ルナ「メガ・スコルピオだって?何でレッドアラートがそんなもんを…」
アクセル「誰?」
エックス「彼女はルナ。つい最近正式にイレギュラーハンターとなった特A級ハンターだ。」
ルナ「よろしくなアクセル」
豪快に笑いながら言うと彼女はアクセルに問う。
ルナ「それにしても追われてるってのはどういうことだ?」
アクセル「…逃げ出して来たんだ。レッドが…レッドアラートが変わっちゃったんだ。昔は悪い奴にしか手を出さなかったのに、今はただの殺し屋集団…もう耐えられなかったんだ。」
悲しみと怒りで拳が震える。
握り締めた親指が痛くて、しかしアクセルはずっと拳を固くしていた。
こんな痛みで根を上げぬ程にアクセルの苦しみは大きかった。
その時、モニタがザッと音を出し、全員がモニタに視線を向ける。
エックス「何が起こった!?」
エイリア『発信源不明の通信よ。画像全モニタに出力するわ』
即座にエイリアから通信が入ると、砂嵐の画面に画像が映し出された。
右目に深い傷が走り、精悍で堂々とした戦士。
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