第五話 大角大尉!!今度は薙刀だ!!その四
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「資産家の美貌の未亡人と『友人』になればだ」
「ああ、そこですか」
「お金が」
「ちなみに私は一世だ」
二世議員ではないというのだ。
「しかしだ」
「資産が、ですね」
「あればそれで」
「やはり政治は金だ」
特に民主政治はそうである、選挙運動も非常に金がかかるものだ。スタッフにも給料を支払わなくてはならないしとかく入り用なのだ。
「金がない政治家はそれだけでだ」
「駄目っていいますよね」
「現実問題」
「そういうことだ、私は事業もしている」
そしてその事業からもだった。
「そこの資金もあるしな」
「それに、ですよね」
「ここでも言えないこととか」
「やっぱりありますよね」
「何かと」
「噂話はいいがだ」
悪田部の目が光った、それも鋭く。
「しかし探ろうとすればだ」
「行方不明ですよね」
「そうしようとすれば」
「富士の樹海はだ」
唐突としてだ、日本の数少ない秘境の話になった。
「便利な場所だ、何かとな」
「ですよね、死体があっても」
「ちょっと細工したら自殺者になりますし」
「見つからないケースもありますし」
「いい場所ですよね」
「私は噂は気にしない」
灰色議員どころかだ、悪田部は世界の中でもかなり疑惑の多い政治家である。善人とは誰も言わない。
しかしだ、その彼でもなのだ。
「噂は噂だ、それが事実であってもな」
「マスコミやネットで幾ら書かれてもですね」
「気にしないのですね」
「言いたい者には言わせておく」
好きなだけ、というのだ。
「しかしだ」
「その真実は、ですね」
「誰も、ですよね」
「何かあれば」
「お医者さんが動くんですね」
「いや、私は医師とは関係があってもだ」
それでもだというのだ。
「しかし医師に行ってもらったことはない、探偵だ」
「つまり行方調査ですね」
「そっちですか」
「しかしそれで見付かったことはない」
彼がらみで行方不明になった者がだ。
「一度もな」
「そうですよね、悪田部さんの場合は」
「そっちですよね」
「資金にしましても」
「そうですよね」
「少なくとも私は資金には困っていない」
それも全く、というのだ。
「だからケーキも紅茶もだ」
「特に、ですね」
「気にしなくていいんですね」
「それ位はな」
こう言える位にはだ、少なくとも政治資金はあるというのだ。
「気にすることはない」
「はい、わかりました」
「じゃあそういうことで」
「そしてだ」
ここで話題が変わった、その話題はというと。
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