#13『セカンドリベリオン』:2
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き出せるね」「リア充爆発しろ」「末永く爆発しろ」と散々言われるほど甘えてくるナタリアであるが、またあるときは鬼か何かのように容赦なくぶん殴ってくる。突然攻撃の手がやんだかと思ったら泣き出すし。
広義ではこういうのを『ツンデレ』と言うらしいが、ナタリアの場合はなんか違うような気がする、と常々思うクーレッドであった。
いや、別にナタリアが情緒不安定なのが嫌なわけではないのだが。そう言う面も含めてクーレッドは彼女を愛しているし、むしろ依存度が高い方がクーレッド的に好みだ。あれ、じゃぁ何であのおっさんはダメなんだろ……あ、おっさんだからか。
「チクショウ……あのおっさんが仕事さえしてくれれば……ナタリアが泣き出すことも無かったのに……」
「……また?……えっく……イーファイさんがクーにばっかり仕事押し付けてきたの……?」
「まぁ、その……うん。仕方ないっちゃぁ仕方ないんだけどね……チクショウ……どーせ今頃図書室に籠ってるかしてさぼってんだろうなぁ……」
はぁぁ――――――っ、と、大きなため息が漏れる。帰った時に二倍になっているだろう仕事の量を思ってのことだった。最悪な気分だ。
「げ、元気出してよ!クーが頑張ってるの、私が一番よく知ってるわ!わ、私ももっと頑張るから……だから、ね?」
抱きしめてくれるナタリアの愛情が心にしみる。ああ、なんて素晴らしい嫁(二度目になるが『まだ』結婚してない)なんだろう。同じ依存度高めでもあのおっさんのウザさとは180度真逆だ。その差八百万光年以上だ。
余談だが八百万とはクーレッドの祖母の国の言葉で『数えることなどできない無限』をあらわす言葉だそうだ。つまりナタリア=至宝>>>>>>>>越えられるわけもない壁>>>>>>>>おっさん=地上最悪の生ゴミとなるわけだ。
――――あー、ガチでナータたん至宝だわ。奇跡だわ。マジ天使マジ女神。
そんなことをクーレッドが心の中で思っていると、
「それでね、クーのためにクッキー焼いてみたんだけど……」
ナタリアが爆弾を投下した。
彼女の料理の腕前は恐らく料理の経験がほとんどないクーレッドより下だ。火を使えば必ず焦げるし、オーブンはいつも爆発する。最近は何とかマシになってきたが、10個クッキーを焼いたら八枚は黒こげになる。
だがそれを全て食べるのは男の矜持。据え膳喰わぬはなんとやらだ。
「……頑張ります」
クーレッドは決意新たに、強くうなずいたのであった。
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