#13『セカンドリベリオン』:2
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止めて聞く。
第四師団。メイも名前だけは聞いたことがある。《七星司祭》のトップであるイーファイ・グースワットの直属部隊で、彼が統括している《箱舟》は、雑兵の代わりに膨大な人数が存在する第四師団師団員の一部が配備されているという。
さらに彼らの恐ろしい所は、人数が多いなら精度が下がりそうなところ、全員がかなり高度な技術を保有する一級の戦士である、ということだった。それだけの存在を束ねているのだ。きっと指揮官は非常に優秀なのだろう。
メイはこれから訪れるのであろう戦いに思いをはせて、小さく身震いした。
***
「く、クーの馬鹿ぁ――――っ!」
一方そのころ、当の『優秀な指揮官』ことクーレッド・ホーディンは、ランクB箱舟《ネオ・ローマ》にある懐かしの我が家(築4年のアパートの一室。3LDK)で、恋人にぶん殴られていた。
ナタリア・ホークレットは、艶やかな長い黒髪をもつ美少女だ。裁縫の腕前も高いし、大抵の家事もこなすよくできた嫁(『まだ』結婚してないが)だ。何よりも愛情深い所が素晴らしいし、弱点である料理下手である、というところもまた可愛らしい。加えて外見・性格の水準がクーレッドの好みにドはまりし、そのほかもろもろのクーレッドとの相性が非常に良い所も、クーレッドが彼女を溺愛する要因の一つとなっている。
ただ、そんな彼女の最大の欠点は……
「馬鹿ぁっ!予定じゃ一週間早く帰って来るって言ってたじゃない!」
「痛い!痛い!やめてナータ!死んじゃう!」
げしっ、げしっ、と音を立てて、吹っ飛ばされたクーレッドをさらに蹴り飛ばすナタリア。怒った顔も可愛らしいのだが、何より彼女の足が痛い。クーレッドには忍耐力はあるが、残念ながらマゾの気は無い(あったならイーファイとももう少し折り合いがついた気がする……なくて良かったとつくづく思う)。愛しい恋人の足と言えども、さすがに何度も蹴り飛ばされるとクーレッドも限界が来る。全力で彼女の足を止めるかもしくは逃げるかを続ける。
いつの間にか攻撃の手がやんだと思ったら、ナタリアはぺたりとその場に座り込んでしまっていた。
「し、心配したんだから……連絡もないから、もしかしたら途中で事故に遭って大変なことになったのかと思っちゃったじゃない……っ!」
「ご、ごめん……悪かった……」
「だから……えぐっ、う、うわぁぁぁぁん!」
「わぁぁっ!泣くな泣くな泣くな!悪かったって!連絡を入れなかったボクが悪かったから!」
泣き始めたナタリアをおろおろしながら抱きしめるクーレッド。
そう、ナタリア最大の欠点は、その激しすぎる感情の起伏だ。時には周囲の人間が「砂糖を吐きそう」「いや、俺はサトウキビ畑が吐
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