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ノヴァの箱舟―The Ark of Nova―
#13『セカンドリベリオン』:2
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4年型を大きく上回る飛行スピードを実現できるのだ。また、この重力操作機関の増設によって、機体への反動も大幅にダウン、メイの苦手な高速移動感を軽減する事にも成功している。

 余談だが、ソーサーが進む仕組みである《重力反転による推進力生成》は、《箱舟》システムの基盤でもある《重力操作》の技術が応用されている。

 世界中の空に浮かんでいる《箱舟》は、そのサイズも巨大だ。それだけ大きな船体を浮かべることは、並みのジェットエンジンなどでは到底不可能だ。そもそもジェットエンジンでは常に一方への推進力が働いてしまうので、上空に停止している必要がある《箱舟》には不向きだ。

 そこで登場するのが《重力操作》技術だ。《箱舟》に搭載されている重力操作機関は、効果範囲内の重力を細やかにコントロールすることで、空中制止・下降・上昇などのありとあらゆる動作を可能としているのだ。この技術は前述のとおりソーサーにも使用されており、ソーサーが非常にスムーズな動きを可能とするのは、この重力操作機構によるところである。

 ソーサーの場合はモノレールが磁界の組み換えで進んでいたように、重力の作用方向を細かく動かすことで推進している。残念ながらメイはそれらの機能について専門的な知識があるわけではないので(あくまでも彼女は一介のソーサー好きでしかないのだ)、さらに詳しい説明はできないが。

 因みにこの機能を発生させる最重要の装置である、重力操作機関の《核》だが、実はこの物体を作製する技術は完璧には判明していないらしい。《ラグ・ナレク》以前の世界で、ある日突然公開されたデータの中に入っていた情報をひたすら複製し続けているだけなのだと聞いたことがある。

 306年型のことに話を戻す。

 大まかな機能は304年型とさほど変わりはないが、自動調整をつかさどるOSが最新のAIに交換されており、操縦者の負担は以前よりも格段に減っている。もともと自動操縦機能を保有しているソーサーだが、306年型ではその使い勝手も上がっているとのことだった。

 因みに今更ではあるが、304、306と言った数字は新世歴の年号のことだ。今は307年なので、306年型は去年から製造され始めたという事になる。確か発売されたのは306年の終り頃だったと思う。

次の反逆(セカンドリべリオン)からは、この306年型で目的地に向かう。わざわざリビーラに、前回あのタイミングで《王都》に向かってもらったのはこのため。ついでに、これを発注するためには《王都》に行かなくてはならないという制約があるからでもある。
 次の目的地は、ランクC箱舟《アル・ハービラ》。第四師団統括地だから、ちょっと手ごわい相手になると思う。皆、準備を怠らないように」

 キングの忠告を、作業をしているシュートすらが手を
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