#13『セカンドリベリオン』:2
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りの超巨大企業だったらしい。
余談だが、《教会》の歴史はそこそこ古い。《ラグ・ナレク》が起こる前にはすでに世界を牛耳る巨大組織になっていたし、キングの語ったところによれば三百年前の《教皇》はその功績を讃えられて、世界で唯一生き残る権利を得た、という。もっとも、『前回』のメイとキングらの仲間たちがそれを改変させたため、結果として《箱舟》が作られ、人類は生き延びたのだ。
ともかく、306年型ソーサーは、そのディヴァイン工房が作った最新モデル。つまりは世界最高のソーサーである、という事だ。
「これがあれば、今まで一日かかっていた飛行時間も、三分の一くらいには短縮できる。遠距離航空が多くなってくる今後の環境には最適なソーサーだ……」
「ふ〜ん……」
シュートの熱弁を聞き終えたククリは、気のない返事を返すと、じぃっ、と306年型ソーサーを見つめた。無関心なようで、やはり彼女にも興味があるのだろうか。
シュートががまんできない、とばかりにリビーラに問う。
「あの、リビーラさん、これ、触らせてもらっても?」
するとリビーラは、珍しく毒のない笑みで笑い、
「もちろんいいですよ。もともとあなたに調整してもらうために持ってきたのですから……それに、姫様もどうぞご自由にお触り下さい」
「ふぇ!?」
メイに話をふってきた。
メイは子どもの頃、亡き父親が遺した《ソーサーオールモデル大全》なる全型完全網羅図鑑だけが遊び道具だった。そのせいでメイは軽度のマニアになってしまったのだが、それを「男の子の趣味」だと思っているメイは、散々その趣味を隠してきたはずだ。今日も凄まじい興奮を押さえつけるように自重していたのだが、顔に出ていたのだろうか。
「メイは『最初』の代から機械好きだったからね。たぶん『今回』のメイもそうなんじゃないか、って思ってたんだ……当たりだったみたいだね」
答えたのはメイの隣に立っていたキングだった。どうやらメイの予測したそのどちらとも、正解は異なっていたらしい。
「良いよ、メイも触ってきても」
「う、うん……!」
キングに送り出されて、メイは306型ソーサーに近づく。光の反射が銀色の車体をより際立たせる。304年型・306年型に共通するブーメラン型のボディは、290年型からの流行であり、現在最も主流の形状である。ソーサーの小型化が進む現代社会のニーズにぴったり合わせたかのごとく外見はサイズダウンしているが、中身は304年型とほとんど変わらない容量であることをメイは知っていた。
か
さらなる小型化に成功した、コーン型の重力操作機関は、304年型が三基搭載だったのに対して306年型は四基搭載だ。これによって重力反転による推進力をさらに増加させることが実現し、30
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