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日向の兎
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に辿り着いた。
道中幾つか拾った石を周囲の他の木の枝にぶつけてから、木の枝に潜り込み教師達を上から見下ろす。タイミング的にはギリギリだったようだな……あと僅かに遅れていれば隠れるところを見られていただろう。
森の中では気配を探ろうにも他に複数の生き物がいるため気配では探知できない。チャクラの流れでも見えれば話は変わってくるのだろうが、そんなものができるのは白眼の持ち主だけだ。
となると自分の足で探さなければならない訳だが……先ほど投げた石によって多くの木から葉が舞い降り、どこに人がいるなど分かる訳もない。
あとは何食わぬ顔で私は変化を解いて、この森から悠々と立ち去ればいい。彼らが探しているのは、うずまきナルトで日向ヒジリではないのだからな。
仮に呼び止められたとしても仮にも日向の者だった私だ、そう長く調べられることもなかろうよ。



「ウサギのねーちゃん、一体なにして来たってばよ?」
「なに、私だって大人をからかって遊ぶ程度には子供ということだ。そう気にするような事はない」
里の外にある森でいつもの様にナルトは待っていた。どうやら準備はできているらしいな……
「今日こそねーちゃんの素顔を見て、ラーメン奢ってもらうってばよ!!」
そう、私は時々ナルトとこうやって組手紛いのことをしているのだ。ナルトは私に面に触れれば勝ち、私はナルトは動けなくなれば勝ちのルールを設けている。
最初はナルトの事を面白いと感じての気紛れだったが、こうも熱意をもって応えられると私としても応えないわけにはいくまいよ。
ナルトは私を捕らえようと必死に動くが、当然考えなしの動きなど白眼を使うまでもなく処理できる。ナルトも徐々に単調な動きではどうしようもないということを理解し始め、動きにフェイントや強弱のアクセントをつけるようになった。彼は理屈を学ぶよりも実戦でその身に刻み込んでいくタイプのようで、こうして度々組手するとその成長速度は目を見張るものがある。
無論、この手合わせには私にもメリットがある。私は動きを模倣し、それを自由に使いこなせたとしても加減が効かないのだ。それ故に私は殺さない程度まで力を抑えて、尚且つ技量を損なうことなく振るうそれは私にとって是非とも身につけたいものなのだ。
理由?言うまでもないだろう、ヒナタと稽古ができるじゃないか!!
「動きは悪くないが、体力と攻め時を考えろ。肝心要の時に体力がないというのは大問題だぞ?」
「そういうねーちゃんは底無しじゃねーか!!」
「当たり前だ、姉は強いものだからな」
「意味分かんねぇーってばよ!!」
真っ直ぐ伸ばしてきたナルトの腕を片腕で掴みこちら側に引き寄せながら、足払いをかけてナルトを転ばせる。途中で掴んだ腕を離す事なくナルトの手首の関節を外した上で、倒れた彼の顔
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