下忍編
親心
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
べちゃりと、首から血を流し、死んだ男の亡骸を何も言わず眺めていた白は、カトナの方を振り返る。カトナは満足気にガトーの死体を眺めていたが、サスケの方を見やる。見られたサスケは、その視線が何を意味しているのかに気が付く。伊達に何年も一緒にいたわけではない。
はぁ、とため息を吐きながら、慣れた様子でガトーの死体によると、間違いが無い様に確認する。
「燃やして」
「首は切り取らねぇのか?」
「此奴の首、金になるの?」
「脅しにはなるだろ」
そんな会話をしていたが、カトナにとっては決定事項らしいという事を悟ると、火遁、豪火球の術を使い、燃やす。
ごうごうと燃え上がる死体を、何も捉えていない目のまま、無表情で見つめていたカトナは、その死体が灰すらも残らずに消えたのを見送ると、やっと安心したように息をつき、辺りを見回す。
「…これ、俺らの任務って橋を守ることも入ってなかったか?」
「入ってたよ?」
「なおさなきゃいけねぇのかよ。だるいな」
「みんなでやれば、あっという間だよ。そこにいる奴らにも手伝ってもらえばいいし」
そういって、治療し終えた君麻呂、ガトーを殺して血だらけの白、九尾のチャクラで焼かれて火傷を負っている再不斬をさしたカトナは、にこりと笑った。
・・・
夥しい量の火傷に、痛みを感じていながらも、まったく表情に出さないまま、ガトーを殺したことで流された血を、水遁の水で流していた再不斬の肩を、先ほどまで白を治療していたカトナが叩く。
「怪我、みせて」
暫し考え込んだ後、再不斬は己の腕をカトナに見せる。己が傷ついた原因の子供とはいえ、これは「橋をなおす」という依頼の代わりに、カトナが述べてきた代償だ。不用意に傷つけて気はしないだろう。もししてきたのならば、それは殺せばいいだけの話だ。
単体での力なら、カトナは再不斬には到底敵わない。何せ、相手はA級犯罪者。まだまだひよっ子のカトナでは、生き残るだけで精いっぱいだし、ナルトを守りながらなら守りきることしか出来ない。…先程のように九尾の力を借りでもしない限りは。
じわじわと、全身をまだ嬲りごろされているような、そんな独特の感覚と痛みが体を襲う。
封印式が、熱い。燃えるような、焼けるような、そんなあつさを体中が訴える。
もしも、カトナがその封印式を見れたならば、それとも、カトナがダボダボの服を着ていなかったならば、その封印式が赤く発光し、熱を持っていることに気が付いただろうが、見えないため、誰も気が付かない。
カトナは無表情のまま、今自分に起きているであろう事態を推測する。
カトナの知る限りの情報では、カトナに施されているのは特殊な術式であり、ナルトに封印された九尾の力を抑制する、手助けするためのものだ。
その術式を
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ