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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九八幕 「流されるままに」
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で近づいた一方的な睨み合い。チンピラのように腰を曲げて怒りに顔を歪めるもう一人の一夏は、彫刻のように無表情なベルーナからゆっくりと離れた。そして、2人の会話についていけないまま扉の前で止まる俺を見た。
ほんの一瞬、俺はその目を自分の目と重ねた。力を求め、強くなろうと足掻いていたあの日の自分の目に。
「はんっ・・・・・・上等だよ。そっちが強行的に来るってんなら――俺も相応の手段を取るだけだからなぁッ!!」
瞬間――もう一人の一夏が足を振り上げ、床に叩き降ろした。
「こんな風によぉッ!!」
その瞬間、門へと続いていた階段が粉々に崩壊した。
「なっ!?う、うおぉぉぉぉぉぉッ!?」
足場が崩れ、瓦礫が眼前を舞い、身体が長らく味わっていなかったPICの介入しない浮遊感に囚われる。今まで何かの演劇を見ている気分だった心地が突如引き戻され、息を呑む。
落下する俺と、同じく落下するもう一人の俺。落下しながらこちらを見た俺は、やはりにたにたと笑っていた。ベルーナの姿は見えなくなっていた。
「悪いな、俺。まだちっとばかし『早い』から、今回は暫く寝ててもらうぜ」
「どういう、意味だ・・・!?」
「そのうち分かるさ。そのうちな――そしてその時、お前は”マジン”を知ることになるだろう」
その直後、俺は黒いヘドロにまっさかさまに落下して、全ての視界が失われた。
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