俺馴? 外伝2-3 [R-15!]
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もない小型の機械。ぎっしりと詰まったプラスチック製の容器。その全てに床に落ちていたそれと同じ真っ白な粉が詰まっていた。小瓶も大量にあり、透明な液体が中で揺れている。見た所、実験器具類はそれなりに使い込まれていて、容器の中身は半分以上減っているものもあった。
いりこは、これを使って、ずっと俺に――
「……ぅわああぁぁぁぁぁぁぁッ!?!?」
訳が分からなくなって、悲鳴を上げた。気が付けば涙も溢れ出ていた。
お前は確かに正体不明だったが、それでも女の子だったじゃないか。恥じらいだって失敗だってあったし、時には怒ることだってあったろう。なのにお前は――どうして俺にそんなことをする。何故普通に接して、普通に愛せなかったんだ。それともお前には愛など無くて、俺の事を弄んで欲望の捌け口にしているのか。
愛が無いのなら、俺はどうやってお前から逃げればいい。
愛があるのなら、俺はどうやってお前に接したらいい。
それとももう、俺は袋小路の壁に縫い付けられているのか。
「っぐ、く…ぅうう……!う、ああぁ……っ!!」
嗚咽が漏れる。もう嫌だ。いりこという存在が分からない。向き合いたくもない。ただ、俺から離れて、俺に何もしないでくれ。お前は――俺に何を求めているんだ?顔を抑えて声を押し殺し、そのまま自分も押し潰してしまいたいとさえ願う。
そんな俺の耳に、しかしいりこは応えない。それは過去の映像であって、変えることの叶わないものだから。
『ハァっ、んんっ……ふう。それじゃあこれからが本番だよっ!』
「え……」
PCかのスピーカーから垂れ流される聞くに堪えない水音はいつの間にか止んで、代わりにいりこの大声が届いた。まだ、続きがあるのだろうか。
もう何のために俺はPCに向かっているのかが判然としなくなっていた。きっとこの先には俺の知りたくなかった恐ろしい事実があるんだろう。それでも――そうだ、目を逸らしたくはない。俺が喚いて泣いてもこの部屋から出て、いりこから逃げ出そうとしないのは、結局そんな自分の精一杯の意地なのではないだろうか。
結局、延年冴鮫という男は田楽入子という女を放っておけないのだ。
そんな俺だから、いりこは狂ってしまったのか。それとも元からあいつは狂っていたのか。
恐ろしくて悍ましくて醜くて、それでも――
あいつから目を逸らすのも間違っている。だから目を逸らさずに、お前の事を見極める。
『これから、最愛の人にまた一つ、大切なものを捧げます。こんな映像まで取ったってばれちゃったらきっと怒られるかな?でも、さざめくんったら恥ずかしがりで奥手だから……私がリードしてあげないとね!』
『もう、私は貴方だけのもの……貴方に相応しくて、貴方を全部知っていて、貴方を満足させられるのは……私
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