俺馴? 外伝2-3 [R-15!]
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ぁ!あははっ♪』
再度、獣が顔を押し付けるように俺の唇を奪い、眠っている俺の顎を指でこじ開けて口腔に舌をすべり込ませる。はっきりと見えはしないが、じゅるじゅると響く何かを吸い上げるような水音と、臆面もなく俺の身体を貪るように求める女だけが映り込んでいる。
俺は、その豹変に言葉が出なくなって後ろに後ずさりした。眼を逸らしたくなるような本性と、蹂躙される俺の身体。だが、その映像が持つ圧倒的なまでのリアリティが俺の魂を雁字搦めに拘束した。縛る茨が、それがお前の求めてやまない真実だとせせら笑う。
やがていりこは俺の頬や首筋などを、まるでこれは自分のものだと主張するように舐め回した。うっとりとした表情で、荒い息を抑えようともせず。パジャマは脱がされ、やがていりこは俺の身体も――
これも、今までずっと?
間違ってるよ。
間違ってるだろう、こんなことをして。
お前は優等生だったじゃないか。分かるだろ。
何でだよ。
「嘘だ……嘘だろう、こんなもの。よく出来た作り物だろ……っ」
そう喋る自分の口が、小さく痙攣していた。悪寒に肩まで震えだす。俺はいつからこんなことをされていたんだ。いりこは、いつから俺を、何のきっかけでこんなふうに扱うようになったんだ。いりこ、お前は――お前の仕業なのか?俺の身体を弄んでいたのか?
心のどこかで、そうであってほしくないと願っていた。それが今、叶わぬものになった。考えてみれば確かに今日の布団はいやに湿気を含んでいた。それに、考えてみれば俺のベッドには「シーツなんてかかってない」。いりこが、痕跡を誤魔化すためにかけたとしか考えられなかった。映像の中のいりこは俺の質問には答えない。だが――雄弁にもこれが真実であることを語る。
『えへへ……さざめくんにこんな事していいのは私だけなんだから……んむっ、〜〜……』
俺の左脇腹辺りに顔を運んだいりこは、そこに自分の身体を埋めて何かをしている。ややあって、ちゅぱっという大きな音を立てていりこは顔を離した。そこには、内出血で唇の形に赤くなった俺の皮膚があった。
『…ぷはっ!初めてやったけど、上手くいったかな?キスマーキング!』
「……ッ!?」
反射的に、シャツをたくし上げて自分の左わき腹を見る。そこには、映像でつけられたそれと全く同じ痕がくっきりと残っていた。朝に何でもない顔をしていたあいつは、俺が知らない所でこんなことを繰り返していた?
はっと、俺は立ち上がってさっきの白い粉を辿り、いりこの机の棚を乱暴にあけた。このキスマークが事実ならば、あの白い微粒の正体も、最悪の予想という形で思い至る。本当はあってほしくなかったが、しかし現実は逃げる事がなかった。
天秤。鉄製のスプーンや小皿、紙、ビーカー、すり鉢、試験管等の実験器具。見たこと
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