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【短編集】現実だってファンタジー
俺馴? 外伝2-3 [R-15!]
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はっと時計を見る。いりこは買い物を済ませて帰ると言っていたから余り時間が残されていないかもしれない。もしいりこが本当に首謀者で、かつこの部屋の惨状を見れば、証拠があったとしても隠滅されるかもしれない。いりこの部屋はどこだ。この家は俺の住んでいた家と同じ構造をしている以上、おそらく両親の部屋か物置代わりに使っていた個室のどちらかに――

そう思って階段を駆け上がり、2階に辿り着く。いりこの部屋は直ぐに判明した。俺の部屋の真向かいにある物置部屋のドアに、ご丁寧に「いりこの部屋」と書いたプレートがぶら下がっていたからだ。鍵など最初からこのドアにはついていないから、躊躇いもなくドアを開け放つ。

ぬいぐるみや清潔感のあるクッションの置かれたベッド。いくらかの本と文房具が几帳面に納められた勉強机。箪笥、本棚、テーブルの上のPC、化粧道具が幾つか置かれたドレッサー。何も不審な点の見当たらないその部屋にずかずかと踏み込む。
よく見ると、テーブルの上にはPCの他に見たこともない型のデジタルカメラやミニプリンタが置かれている。デジカメからPCに、そしてPCからプリンタにデータを送っていたようだ。しかし、確かこの型のプリンタはデジカメと直接繋げて印刷が出来た筈だ。PCにデータを取り込みたかったのだろうか。

PC……情報は紙媒体だけとは限らない。このPCの中にも手掛かりがあるかもしれない。素早く電源を入れると、想像以上の速さで起動した。そういえばあいつは機械に強い人間だったから、ひょっとすればこのPCに手を加えて高性能化を図ったのかもしれない。
ロックがかかっていたが、色々と試していると俺の生年月日で突破できた。勝手に中を盗み見る事に罪悪感を感じる暇もなく中身を改めた。すると、様々なデータ類の中に一つだけタイトルの意味が分からないファイルを見つける。『ロバリーの隠し本』……それにどんな意味が込められているのかは分からなかったが、開く。中にあったのは動画ファイルだ。

「これは……俺?」

そこには――赤外線モードで少々わかりにくかったが――パジャマ姿で眠る俺が映し出されていた。恐らくデジカメで撮影されたのだろうが、それにしては嫌に映像が鮮明だ。――盗撮、だろうか。俺の求める真実ではないが、いりこへの疑いを深めるものだ。この先に何が納められているのかを、他のファイルも漁りながら確かめる。

少し間をおいて、部屋に電気が付けられる。撮影モードも通常モードに切り替わる。突然電気の光が付けられたのに、映像の中の俺は一瞬眉を顰めただけでそれ以上は反応しなかった。余程深い眠りに入っていたのだろうか。
ふとテーブルの下に、何か白い粉のようなものが落ちているのに気付いた。お菓子の食べこぼしにしては微粒が細かすぎる。

俺は、PCで再生され続ける映像に目配せし
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