マクロスF
0746話
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そんな俺の言葉に、サブマシンガンを撃っている者達全員が疑問の目を向けて来る。ただ1人、俺が何をやろうとしているのかを悟ったシェリルを除いて。
「駄目よ、アクセル!」
サブマシンガンをその場に放り出し、俺に駆け寄ってきて服を掴みながら叫ぶシェリル。
その手をそっと外し、まだ何かを言おうとしたシェリルの唇を俺の唇で塞ぐ。
「悪いな、お前が死ぬというのはどうやら俺には許容出来ないらしい」
「……アクセル……」
瞳の端に流れる涙を舐め取り、シェリルを背にして1歩前に出る。そう、バジュラのいる方向へと。
「おいっ、アクセルッ! 何をするつもりだ!? こっちに戻ってこい!」
叫ぶミハエルの言葉を背中に聞きながらも、1歩、2歩と飛んでいるバジュラの方へと近寄っていく。そして俺が前に出たことで出来た弾幕の薄い場所を突き、1匹のバジュラが尾の刃で俺に斬り付けんとする。
俺の頭部目掛けて振るわれた刃。だが、俺はそれを回避する事無くその身で受け止め……背後から聞こえてきたシェリル以外の悲鳴をBGMに、刃は俺の身体に傷1つ付けられずにすり抜ける。周囲に散っているのは俺の身体を形成している白炎の欠片。すぐさま刃の通り過ぎた場所の白炎が再び結集して俺の身体を形成する。
「……え?」
果たして背後から聞こえてきたのは誰の声だろう。それを聞き流しつつ、攻撃を外したバジュラに向けて一言呟く。
『紅き焔』
その瞬間、バジュラは突如現れた炎により焼き尽くされ、数秒と経たずに炭と化す。
白炎の状態になった手から生み出される幾多もの炎獣。獅子、虎、鳥、ドラゴン、グリフォン、ペガサス、ユニコーン。約100匹近い炎獣がバジュラへと襲い掛かって行く。
炎獣の戦いを見ながら俺は白炎を身体全体に纏い、背からは翼が、側頭部と額からは天を突くかのような3本の角が、後頭部からは側頭部の角の下を通るようにして前方へと伸びている角が、腰からは竜尾が、そして俺の身体のベースは20代のものへと変化する。
即ち……
「改めて自己紹介といこうか。混沌精霊のアクセル・アルマーだ」
不思議と戦場の中で、俺のその声は響き渡るのだった。
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