マクロスF
0746話
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数に襲われたら洒落にもならない。近づけさせるな!」
くそっ、確かにこうして見ていると周辺にいるバジュラがこっちに集まってきているのが分かる。そのおかげでランカのライブに来ていた客達の被害は予想よりもかなり少なく……っ!? そうか、奴等の狙いはランカか!?
本来であれば、ランカに歌って貰うのがベストなんだろう。バジュラに対する効果については折り紙付きなのだから。だが……
「ランカさん、大丈夫、大丈夫です」
「ナナちゃん、私……私……歌わなきゃいけないのに、でも……」
人の死を、それこそ目の前で自分のライブを見に来てくれた観客達が次々に殺されていくのを見て脅えている今のランカはそれを出来ない。いや、やろうとはしているようだが、身体が言う事を聞かないといったところか。
「くそっ、このままじゃマジで不味いぞ! 俺達だけじゃない、美星学園にいる一般人も含めて全滅だ!」
焦ったアルトの声。サブマシンガンで弾幕を張りつつも、その声から強く焦りを感じさせているのはやはりランカが原因なのだろう。
「けどどうするってんだ!? ここに俺達の機体があれば多少はマシだろうが、それでも多勢に無勢だ。理由は分からないが、こうしてサブマシンガンがあるだけでも存外の幸運……ちっ、弾切れだ。ナナセ!」
「あ、はい! これです!」
ミハエルの言葉に眼鏡の少女――ナナセと言うらしい――が弾倉を渡す。
それを皮切りにしてボディーガードやアルト、ルカ達も順に弾切れになっては弾倉を交換していく。
最悪なのは、こっちに向かったバジュラが次々にやられているせいか、余計にこちらに向かって来るバジュラが増えているということだ。
新たにこちらへと向かって来るバジュラへと向かって重機関銃の銃口を向けるが……
「ちっ!」
舌打ちをして、弾切れになった重機関銃を地面に投げ出す。
くそっ、不味い。非常に不味い。これ以上無い程に不味い。敵の個体は弱いが、群れで攻めて来てる分だけ質が悪い。状況を一変させられる奥の手もあるが……
チラリ、とシェリルへと視線を向ける。俺の恋人であるシェリルをこんな場所で死なせる訳には絶対にいかない。そして、どこかと連絡をしているグラス大統領もまた同様に。
「……しょうがない、か」
周囲の状況を見て、覚悟を決める。この状況を何とか出来るのは俺だけなのだから。
本来であればシェリル以外に見せる事は考えていなかったこの力。どうせやるのなら、全てを見せてやろう。迂闊に中途半端な力を見せつけてキノコに下手なチョッカイをかけられるよりも、最初から圧倒的な力を見せつけ、俺に対して迂闊な真似を出来ないようにする。
「全員、聞け。これから何があろうとも驚くな。俺は敵じゃない。それだけ覚えておけ」
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