Episode30:正義の味方
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摩利の競技が終わって、さっきのグループは散り散りになった。
達也は行く所があると言って、珍しく深雪を置いていき、幹比古と美月はエリカの奸計によって二人きりに、その騒動を苦笑いしながら眺めていた隼人は、雫に服を引っ張られて、施設内のレストランを訪れていた。恐らく、残ったメンバーは纏まっているだろう。
レストランについて、席に案内された後、隼人は雫に引っ張られている時に感じたみんなの生暖かい視線の意味と、雫がなぜ二人で昼食を取りたかったのかを悶々と考え続けていた。
(雫が誰かと喧嘩してる…なんてことは有り得ないよなぁ。俺が見た限りでは、普通に接してたし)
勿論、女心を微塵も理解していない隼人だ。雫が珍しく積極的に行動したことの大きさを全く分かっていない。
「隼人、どうしたの?」
「え? あ、ああ…なんで雫は俺と二人きりになりたかったんだろうなぁ…って考えてっててててて!」
すっ、と近づいてきた雫の手が、隼人の頬を掴み、そのまま左右に引き伸ばした。普段より更にジトッとした目を隼人に向けて、雫はむしゃくしゃする気持ちのまま隼人の頬を弄り続ける。
「い、いひゃい! ひずく! いひゃいよ!」
ぐにぐにと形を変える隼人の頬を、最後に、限界まで引き伸ばして手を離す。涙目になって軽く睨んでくるその表情にグッと来たのを表情にも声にも出さず、雫は淡々と答えた。
「私が隼人と二人きりになりたかったから、って理由じゃ、ダメ?」
首を傾げて、上目遣いでそう言われては流石の隼人もどもらざるを得ない。珍しく、頬を染めながら視線を泳がせていた。
「い、いや。ダメじゃないし、嬉しいよ」
「そう」
そう素っ気なく返して俯いた雫に、隼人は変なこと言ったかな? と首を傾げた。
雫はと言えば、少しだけ赤くなった顔を隼人に見せないようにするので精一杯になっている。
どこか気まずい雰囲気が二人の間に漂い、それは料理が運ばれてくるまで続いた。
☆★☆★
(あ、このオムライス美味しい…どう作ってんだろ?)
運ばれてきたオムライスは、流石軍直属のホテルのレストランと言うだけあってかなり美味しかった。俺が作ったら、こんな卵はふわふわにならないだろう。是非ともご教授願いたいところだ。ケチャップライスの味の濃さも丁度いいし、満足満足。
と、オムライスを半分ほど食べ終わったところで、目の前に座っている雫の視線が俺のオムライスに向いていることに気づいた。ふむ。
「はい雫、あーん」
「!?」
スプーンに一口分乗せて、雫の前まで持っていくと凄く驚いた顔をされた。あれ、食べたかったんじゃないのかな?
「いらなかった?」
「う、ううん……欲しい」
首を振る雫に安堵して、じゃあとス
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