第3章
月光校庭のエクスカリバー
第80話 行け、オカルト研究部!
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しまう。
「そんな事はどうでも良い。俺が耐え難いのは、神と魔王が死んだ以上、戦争継続は無意味と判断した事だ!耐え難い、耐え難いんだよ!一度振り上げた拳を収めるだと!?あのまま戦いが続いていたら、俺達が勝てたはずだ!アザゼルの野郎も二度目の戦争は無いと宣言する始末だ!ふざけるな!!」
コカビエル学校初めて見せた憤怒の表情に思わず腰が引けてしまった。
「君達とて、種の存続が危うい状態だったのだろう?ならば賢い選択だと思うがね」
「それが甘っちょろいんだよ!!そんなのは臆病者のする事だ!!」
アルミヤさんの言い分にますます怒気を孕ませていた。
「……主はもういらっしゃらない……それでは、私達に与えられる愛は……?…」
「フッ、ミカエルはよくやっているよ。神の代わりとしてに天使と人間を纏めているのだからな」
「………大天使ミカエル様が神の代行だと……?…では、我らは……」
「システムさえ機能していれば、神への祈りも祝福も悪魔祓いもある程度動作するだろうしな」
「………ぁ……」
アーシアがショックのあまり倒れ、傷が治った塔城に支えられていた。
「アーシア…」
「………無理も無い……私だって理性を保ってるのが不思議なくらいだ……」
敬虔な信徒程、この事実は耐え難い物だろうからな。
「とは言え、神を信じる者は格段に減っただろう。聖と魔のバランスを司る者がいなくなった為、その聖魔剣の様な特異な現象も起こる訳だ。本来なら聖と魔は混じり合う事などあり得ないからな」
「あ〜なるほど。じいさんが言おうとしてたのはそれの事か!あれ、でもボス、知られちゃマズイ事だからじいさん殺したんだよな?でもボスがバラしちゃったって事は、じいさん無駄死にじゃね?」
「ハハハッハ、確かにその通りだな」
「アッハハハハ、じいさん運ねえな!」
ベルは心底可笑しそうに高笑いする。
「まあ、どうでも良い事だ。今は戦争をする事だ!お前達の首を土産に俺だけでも、あの時の続きをしてやる!」
とんだ戦争狂だ。
だが、その戦争から生き残るだけの実力がある。
「あ〜らら、戦意損失かな?」
ベルの言う通り、俺達は改めて目の前の存在の強大さを思い知らされ、意気消沈してしまっていた。
あの威風堂々としていた部長でさえ、覇気を失っていた。
「ふざけんなぁ!!」
『っ!?』
「……イッセー…」
そんな中、イッセーの叫びが響いた。
「お前の勝手な言い分で俺達の町を、仲間達を消されてたまるかぁ!!」
この様な状況の中でもイッセーの闘心は衰えていなかった。
いやむしろ、自身が住んでいる町の危機、仲間の危機、その元凶であるコカビエルに対する怒りで高まってさえいる。
そうだったな。
こいつはこんな事で諦める様な奴じゃないってのは。
改めてこいつの事をスゲエと思ったよ。
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