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ノヴァの箱舟―The Ark of Nova―
#12『セカンドリベリオン』:1
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類仕事を全てクーレッドに任せて、彼自身は《王都》か直轄のAランク《箱舟》、《忠義》の大図書館に引きこもっている。そのせいでクーレッドは日夜仕事に襲われる日々、常に寝不足が付いて回る、というわけだ。

 本来ならば澄んだ水色のはずの瞳は疲労で濁りきり、目の下にはくまができている。

「イーファイ様……たまにはご自身で仕事をなさってください……」
「ちぇー、仕方ねぇなぁ……おっさんはフィールドワークか引きニートのほうが好きなんだけどなぁ」

 しぶしぶ、と言った調子で、チャイネイに答えるイーファイ。彼はそのままコーリングに視点を写すと、再び破顔し、

「おい坊主、今度また家に遊びに来いよ。マナも喜ぶだろうしな」
「うん!」
 
 元気よく返事をするコーリング。

 イーファイにはコーリングと同じ年頃の娘がいる。彼は愛娘が可愛くて可愛くて仕方がないらしく、遊び相手としてよくコーリングを自宅に招くのだ。

 因みに同じく遊び仲間にはクーレッドの妹と弟の双子、アリサフブキとリトセツカも加わることがある。

「と、言うわけだ。クー吉、明後日あたりから帰っていいぞ」
「長期休暇ktkr!今日ばかりは感謝します!」

 目に見えて嬉しそうな表情で叫ぶクーレッド。そんなに休みがうれしいのだろうか……と思ったところで、まぁそうだろうな、と思い直す。

 コーリングは賢いが、さすがにまだ幼いため、書類仕事の大半はチャイネイやイーリンら《第九師団》が引き受けている。チャイネイたちはコーリングと強い絆で結ばれているため、これくらいのことはさほど苦にならないし、そもそもコーリングのところにはあまり書類は来ない。

 それに対し、《七星司祭(ガァト)》筆頭であるイーファイの所…より正確にはそれらをすべて押し付けられるクーレッドの所…には、大量の書類が送られてくる。《第四師団》は第一師団と並び、最も《騎士》と言うにふさわしい組織だ。イーファイの管轄に入る《箱舟》は雑兵を一切と言っていいほど採用せずに、代わりに《第四師団》だけで警備が成り立っている。それは、ほとんどが駐屯所の外に出回っているという事だ。

 つまり、クーレッドを手伝う手はほとんどと言っていいほどない。唯一いるとすれば、《第四師団》副団長であるシロハ・シラユキだろうが、彼もまだそこそこ幼い。となると、やはり仕事はクーレッドがやりきるしかないのである。加えてイーファイとの絆が皆無と言えるクーレッドに、それを乗り切るためのやりがいややる気があるわけがない。

 つくづく、お互いの絆、というモノは重要なのだな、と思ったチャイネイであった。その点なら、自分達《第九師団》とコーリングは申し分ないだろう。

 よくよく考えてみれば、《七星司祭》と、それに対応する《十字騎士団》
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