#12『セカンドリベリオン』:1
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か。恐らくは無いだろう。だがそれは、あれが《魔王》なる青年との交戦によって誘発された物だった場合だ。
もしあの青年と関係がないのであれば、コーリングもあの映像、もしくはそれに似たものを見ているかもしれない。
最も、その場合は彼の視点になるのだろうが……。
「うーん……わかんない」
「そうですか……」
結果としては白だった。結局、真相は今だ闇の中、か――――そうチャイネイが諦めかけたその時。
「でも、最近変な夢を見るようになったかなぁ」
コーリングが、衝撃的なつぶやきを漏らした。
それは――――それはつまり、『可能性』の範疇内では?『それに似たもの』に入るのでは?
「こ、コーリング様、それはどのような……」
チャイネイがはやる気持ちを制しながら、コーリングに問いかけようとした、その瞬間だった。
「いい加減にしろこのクソジジィィィィィ――――――――ッ!!」
たまりにたまったストレスをすべて吐き出すかのような、凄まじい怒号が響いた。
「おいおいクー吉よぅ。僕ぁ自分がおっさんだとは常々思っているがよ、ジジィだと思ったことは無いんだがな」
「黙れ……あとクー吉っていうな……」
「大体な。ちょっと椅子になれって言われただけで怒るようじゃぁ、器が狭い男って思われるぜ」
「うるせぇ!!何が『ちょっと椅子になれ』だボケ!あんたこの前そのまま三時間近く動かないからどうしたのかと思ったら爆睡してたじゃねぇか!!あんなの許さないぞ!」
「おーおーおー。若いうちから怒ってばっかりだとハゲるぞー」
「じゃぁボクを苛立たせるなぁぁぁぁッ!!と言うかあんたがハゲろ!!」
聞き覚えのある声だった。と同時に、ここしばらく聞いていなかった声だった。チャイネイは心の中で、またか……とため息をつきながら足を進めた。
角を曲がったその先、ホールの中央が、その声の震源だった。この世の全てを呪うかのような怒りの表情を浮かべているのは、まだ若い青年。たしか今年で十八になったはずだ。冷え症だという事で、白いマフラーを巻いている。長い白髪は、光の当たり具合によって朱色のラインが入っているように見える。以前聞いたところによると、祖母が雪女の末裔で、その血が混じっているせいらしい(雪女は基本的に白に光の当たり具合によって朱色が見える髪をしている)。冷え症もその影響なのだそうだ。
青年の名前はクーレッド・ホーディン。雪を操る紅日人クォーター。その若さからは想像がつかないが、彼は《十字騎士団》第四師団の師団長を務める、凄腕の戦士である。同時に、どんなハードワークもこなすだけの技能と体力を有する有能な士官でもある。
十八歳にして常に寝不足、精神性胃痛や頭痛に悩ま
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