『共感』
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そべって星や月を眺めるのが好き。
誰も居らん静かな港で独りで...
呆れてた。
ガキって思われたんやろな。
デリも辞めなさいって言われた。
なんかムカついた。
帰るん嫌なら、寮やけど個室やから泊まってけって言ってくれた。
良く解らん。
掴めん人やと思った。
靴を持って部屋にあがった。
弁当渡しに行ってる間、机にあったノートを何気に見てしまった。
『死にたい、消えたい』って言葉が、一面に荒っぽく書かれてた。
心臓がギュウーッ!ってなった。
結構年上な筈。
でも、精神的に弱いし、たぶん中身も子供やと感じた。
泣きたい?
泣けた?
泣いてない?
気になるとかおかしい。
てか、自分の事でいっぱいいっぱいやのに...
どうにかしたげたいとか間違っとる。
無理やし。
どうにもならん。
足音がしたから、慌てて座った。
飲みかけのドライ飲んだ。
ふと、ソコに置いてあったDVDのタイトルに目がいった。
『Deep Love』
Yoshiの作品で、当時、シリーズで何冊も出てた本を全部買ってた。
携帯小説から書籍化された。
携帯小説が流行る発端になった人。
同じ作品...
複雑やった。
DVDを手に取った時に戻って来た。
『...観るん?』
『.....』
『観ん方がええない?』
『...てか、原作全部持ってるし。DVDの存在は知らなんだけど。』
『マジで!パオの貸してや!』
『わかった...んっ!』
鞄から出して渡した。
零那の鞄には、ありとあらゆるものが入ってる。
ふと、ノートを取られた。
『Secret Note』って書いてるんやけどなぁ。
過去をありのまま綴った...詩とは呼べん詩。
闇を晒した醜い言葉達。
既に読んでるからもぉヤケクソで飲んだ。
暫くして頭わしゃわしゃされた。
『俺も大概やけどお前もやな。』
いろんな事を晒した。
話した。
お互い...
早くから、内面的に解り合えた気がしてた。
この人は何年一緒にいても誰かに100%素直に心を開くことはない。
繊細なくせにプライド高い。
誰より温もりを欲しい筈やのに、他人には優しくないし無神経。
感情が欠陥してる。
其れは事実。
性格や人格、名前や年すら、どぉでも良かった。
お互いに共感した。
疲れてた...
こんな自分の事を、解ろうとしてくれる。
人格障害、睡眠障害、過呼吸、リストカット...
興味本位で相手出来るような自分では無い。
それでも、この人は、アッサリ軽く受け入れた。
其れに恐怖すら感じたほど。
愛情も同情も要らん。
ただただ、汚してくれたら良い。
イタミやヨゴレで存在してることを実感出来る。
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