暁 〜小説投稿サイト〜
改正版 後悔先に立たず、後に立つべし
42話
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
は警戒心を感じたので判断しました。そして、後方の離れた位置にいる2体が指揮官機と予測したのですが。」
『し、信じられない!これだけの距離があるのに詳しく把握するなんて!』
『アヤでも無理なのか?』
『私だとそこまで詳しくは分からない。大勢の敵意としか感じないもの。』
『俺も似たようなものだからな。』
「リュウセイ、あまりいいモノではありませんよ。」
『そうなのか?』
「相手の最後の思考や断末魔は敵だと割り切っていてもくるモノがありますから。」
『例えば、どのようなモノがあるんだ?』
「…………聞いても意味がありませんし聞かない方がいいモノですよ。それでも聞きたいですか?」
『ああ、聞きたい。オレも少なくない戦闘機や戦車、人型機動兵器を撃墜してきた。だからこそ聞きたいんだ。オレが撃墜した人たちが何を考えていたのかを?』
「戦えなくなるかもしれません。聞いた事を後悔するかもしれません。それでもいいのですか?」
『ああ、構わない。』

 その言葉に友軍機全員に通信を繋げます。

「最初に言っておきます。DCを称えて死ぬものは稀です。人間の最後の思考なんて単純です。大半が残していく恋人、友人、家族に対する心残り、懺悔、果たせなかった約束に対する思いや死にたくないという生への渇望なのが大半です。中には現政府に対する憎悪などもありますが、それほど多くありません。結局はほとんど者は周りに居る者を守りたいのでしょう。ですが、言葉にしたところで本当の意味では分からないでしょう。体験しなければわからないモノです。」

 その時、感じた私の精神を犯しそうな死者たちの声を忘れることは出来ません。
 戦場で一瞬、動きを止めてしまったほどですから。
 それでも動く出来たのはアーニャがいたからでしょう。
 その後はただ必死で操縦していましたが、後で震えが止まらないほどの恐怖に襲われてしまいました。
 そう考えると次の戦場であるヴァルシオン戦では感じる事があっても精神の負担にならなかったのはは精神耐性があったおかげなのかもしれません。

『…………戒。お前さんはそれを感じて何を思った?』
「上の方はともかく、末端の兵士にとって家族を守りたいという気持ちか、生を求めている部分が強い事がわかりました。そして、戦争は正義が無いのかもしれません。」
『そんな事ないわ!私達は戦争を止めようとしている!正義は私達にあるわ!!』
「言い方が悪かったですね。戦争はそれぞれの正義のぶつかり合いだという事ですよ。彼らにも正義はあるのですよ。心の中に秘めた正義はね。だから、絶対的な正義は無いんでしょう。こちらもリオの信じる正義を政府上層部が持っているとは思えませんから。彼らはさっさとこの戦争を終わらせて降伏したいんじゃありませんか。今までの出来事がそれを物語
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ