第七話 悪夢のパトロール
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今までにない状況。そして経験したこともない恐怖に突然、声を出せなくなってしまった。
「大人しくなったな、つれていくぞ。」
「はい。」
男に捉えられ、バンギラスを持つ男は帰る準備をする。
ツヴァイは目を瞑り、涙を流した。
自分は…こんなみじめな形で終わってしまうのだろうか。
せめてポケモンだけでも逃がせば良かったのに。
自分に対する罪悪感とみじめ感。
どうしようもない気持ちがツヴァイを駆け巡った。
その時、地面が激しく揺れた。
二人が立っていられない程の衝撃だ。
「ぐっ…な、なんだ。」
強烈な…ポケモンによる地震だ。
「バンギラス!」
「バ…バン…ギ…。」
苦しそうな声を上げてバンギラスはふらふらとした。
「バカな…あれほど体力があったのに削られていくだと!?」
遂にバンギラスはバタンと音を立てて倒れてしまった。
「ッ…私の……バンギラス…が!」
男二人もツヴァイも何が起きたかわからず辺りをキョロキョロと見渡した。
「?なんだ、あれは。」
空にふわふわと浮かびながらこちらに何かが近づいていく。
「!?なんだ…うわあああっ!」
空飛ぶ物体が猛スピードでこちらに向かったと思うと人間が飛び降りてツヴァイを捉えていた男をキックする。
「ぐはぁっ!」
突然自分を支える者がいなくなったため体のバランスが保てず倒れかかるツヴァイ。
「わっ…。」
しかし、自分に衝撃は感じない。
誰かに支えられたようだ。
「えっ…。」
「……。」
顔を見上げると自分を支えていたのは…
フィーアだった。
「怪我してるじゃねぇか…大丈夫か?」
「うん…。」
全然大丈夫ではないが、頭が混乱していてそう答えてしまった。
「そうか…。…怖かったな…。」
ギュッと抱きしめれる感覚。
かつて、…父にやってもらったような温かみを感じる。
「……ッ。」
兄の服をギュッと握りしめ顔をうずめた。
「くっ…貴様!出てこい、バクーダ!」
バンギラスを使っていた男は次にバクーダを出した。
その様子を見てフィーアはゆっくりツヴァイから体を離した。
そして立ち上がりながらツヴァイの頭を撫でた。
「俺の妹を傷つけやがって…。」
男を睨みつけ、向かい合った。
ドドドドと音を立ててガブリアスがフィーアの目の前に立った。
ガブリアスは鼻息を荒くして怒っていた。
「俺とガブリアスは通じ合っている…。俺を怒らせるとガブリアスが怒る…そして、技も強くなるんだよ
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