第3話 真夜中の私闘
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
深夜2時。いるのはアストラル・ゼロ<元素精霊界>。この精霊が住んでいるもうひとつの世界だが、このあたりは低位の精霊しかいないので、決闘の立ち合いではよくきていたが、自身の私闘のために使うのは初めてだ。今は決闘を行なう古代の遺跡に向かっている。
歩いている最中に巻き込まれた俺は、愚痴をこぼす。
「今日は、勝つつもりなら、キャロルを守るのは無理だぞ!」
「貴女とわたくしが組んでいるときの、いつもの方法でかまわないでしょう」
「それを許してくれる相手ならいいんだけどね。相手はたしかチーム戦4位で、まだ上がる可能性のあるチーム。それに対して、こちらはチームワークとして慣れているのは、貴女とあたしのコンビぐらいで、クレアとは2人とも合わないでしょ?」
俺がチーム戦をなれているのは、各チームで人手が足りない時に臨時で入るので、あちこちのチーム特性はある程度把握しているが、クレアは一人で行動する傾向にあるので、やはり、フォローにまわることになる。クレアは今年に入ってから、リンスレットか俺とぐらいしかまともにチーム戦をおこなったことは無いようだし、リンスレットは自分が目立つ位置に立ちたがるので、それをフォローできるものも少ないのと、他人の忠告に従わないリンスロットのプライドの高さもあって、チームとして安定的にいることも少なくて、最近はチーム戦はほとんどしていないはずだ。
もっとも不安なのはカミトだが、剣精霊をつかいこなせるかだ。
たしか闇精霊が現れることになっているはずだが、きているのか、わからないしな。
「まあ4人のチームなら、2人だけできめられるものでもないし、きてから決めないかしら」
「私がリーダーよ」
「それできまれば、それでもよいけど、クレアとカミトと私にきちんと指示できるかしら?」
「……」
クレアとリンスレットがうまく組んでくれるには、まだ時間が必要か。
「あたしのポジションを、どこにおくかがポイントになるかもね」
あのチームでロッカとレイシアは、単純に倒せるだろう。問題はサリーとエリスだ。エリスの精霊魔装は槍だが、あの風の刃はそれなりの距離が飛ぶ。サリーも遠距離と中距離の精霊増そうを使うタイプだ。サリーの位置に合わせて、俺が動くのかな。
決闘の舞台となる遺跡に近づくと
「いったいなにをしていますの? クレア・ルージュ」
「遅いわよ。リンスレットにエルダ」
「あら、レディの身支度には時間がかかるものですわ」
「……? なんでキャロルまでいるんだ?」
「もちろん、お嬢様の応援ですわ」
カミトが呆れているようだが、俺もそう思う。
「ところで、どうしてカゼハヤ・カミトをセッカンしているんですの?」
「お嬢様、それを聞くのは野暮というものですよ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ