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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十二話 呪縛からの解放
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ません。それにフェザーンは元々地球が創りました。それなりに繋がりは有る筈です。なにかと便宜を図ってくれる人は居るでしょう」
「憲兵隊がフェザーンを担当しているそうですな。我々がお手伝い出来る事は有りませんかな」
「討伐軍が地球から様々な物を持ち帰ります。それを分析して頂きたいと思います」
「様々な物、と言うと?」
「書類、コンピューター機器、武器、捕虜等です。彼らが自爆したので破損したり地中に埋まった物も有ります」
「それはいささか厳しいですな」
表情は変わっていない。本当に厳しいと思っているのかな。俺は結構厳しいと思うんだが。
「確かに厳しいです。ですが考えてみれば我々は彼らの事を殆ど知りません。彼らの組織が何処まで広がっているか、それを支える財政基盤は何か……。何処まで出来るかは分かりませんが調べて欲しいのです」
「なるほど、本拠地を叩いた以上次はそちらというわけですな」
ルーゲ伯爵が頷いている。
「地球は資源が枯渇した星です。彼らが地球からの収益、殆どが観光、巡礼による収益でしょうがそれだけに頼っていたとは思えません。後は信者からの献金でしょうがそれももう見込めない。となると彼らは一体何処に活動資金を求めるのか……」
ルーゲ伯爵とエーリッヒが見詰め合った。
「興味が湧きますな」
ルーゲ伯爵の言葉にエーリッヒが苦笑を浮かべた。
「そうですね、興味が湧きます。一体何処に繋がっているのか……」
「とんでもないところに行きつきそうですな」
「ええ」
おいおい、二人とも笑い事じゃないだろう。
「分かりました、こちらで調べましょう」
ルーゲ伯爵が俺とアンスバッハ准将を見た。もちろん否やは無い。エーリッヒが“よろしくお願いします”と言った。
「他に何か有りますかな」
「いえ、こちらからは何も。そちらからは有りますか?」
「特には有りません」
二人が顔を見合わせた、そして頷く。“ではこれで”と言うとエーリッヒが席を立った。立って敬礼しようと思ったがエーリッヒが必要無いというように手で制止した。そしてそのまま部屋を出て行った。それを見届けてからルーゲ伯爵が口を開いた。相変わらず感情の読めない目をしている。
「聞いての通りだ。受け入れの準備をしてくれたまえ」
「はっ」
「それとフェザーンに人を入れたい」
「フェザーンに人を? 宜しいのですか?」
アンスバッハ准将が言外に反対を匂わせたがルーゲ伯爵は意に介さなかった。
「念のためだ。憲兵隊が人手不足になるという事も有るだろう」
「分かりました、どの程度送れば宜しいでしょう?」
俺が問い掛けるとルーゲ伯爵は“そうだな”と言って少し考える姿を見せた。
「五人単位で十組、送ってもらおうか」
五十人か、多いとは言えないが少ないとも言えな
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