暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0745話
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用意出来るだろう。最悪、ブレラを使うという選択肢も捨てない方がいいか?
 とにかく狙撃に関してはどうしようも無いのは事実だ。出来るとすれば殺気を感じ取ったら、素早くグラス大統領の下に駆け付けるくらいか。
 折角のライブだってのに、楽しむ余裕はあまりなさそうだな。
 出来れば俺がグラス大統領のすぐ近くで直接護衛出来ればいいんだけど。

「ちょっとアクセル。難しい顔をしているのは分かるけど、折角のライブなんだから少しは楽しみなさいよ。ほら、こっちに来て」

 シェリルに引っ張られ、最前列まで強制的に連れられていく。
 周囲の客達は最初嫌そうな顔をしているのだが、何故かシェリルが笑顔を向けるとそれに釣られたように笑顔を浮かべる。
 ……帽子とサングラスで変装しているのに、よくもまぁ。さすがに銀河の妖精といったところか。
 そんなこんなで到着したのは最前列。場所的には一般の客席としてはグラス大統領に最も近い場所だ。
 あ、ボディガードの1人と視線があった。一瞬顔を顰めながらも、グラス大統領の耳元で何かを囁き、大統領がこちらを見る。
 俺と目が合った瞬間には厳しい表情を浮かべて小さく頷くが、その表情もすぐに消えて今までと同様の柔和なものに戻っていた。
 この辺、さすがに大統領といったところか。確かにランカのライブを見に来ているのに、厳しい表情を浮かべていれば他の客達は皆何事かと思うだろうしな。
 それから暫く、シェリルと共に会話をしながらライブが始まるのを待ち、同時に動けないのをいい事にポケットの中に空間倉庫を展開し、極限まで細くしたスライムをライブ会場中へと張り巡らせていく。
 ふと思いついた作戦だったが、これならいざという時にもグラス大統領を狙撃とかから守れるかもしれないしな。
 そんなこんなで、やがてライブが開始される。

『皆、抱きしめて! 銀河の、果てまでーっ!』

 いつもの決め台詞と共に、ランカのライブが始まった。
 同時に、ミハエル、アルト、ルカを始めとするメンバーがアクロバット飛行をしながら空中にRANKAの文字を、そしてハートマークに突き刺さる矢といった風に描いていく。

「へぇ、アルト達も随分と張り切っているな」

 視線の先では、ランカの歌に合わせるようにして縦横無尽にアルトを含む5人が空を飛んでいる。その動きは揃っており、これぞアクロバット飛行と呼べるものだろう。
 実際、観客達もランカの歌の合間に上を見ては歓声を上げており、大統領もまた同様に笑みを浮かべてアクロバット飛行を見ている。
 狙われているかもしれないというのに、全くそれを感じさせない胆力はさすがに政治家一家の生まれといったところか。

「ランカちゃん……完全に一皮剥けたわね」

 アクロバット飛行を中心として周囲の様子
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