毒と鞘と夫婦剣
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したことが…………」
肩を掠めた矢に毒が塗り込まれていたんだろう。アーチャーが気づかなかったのも無理はない。恐らく今回は遅効性の毒の可能性が大きいからだ。
「おーおー、やっと効いてきたか。軽いもんだけど、生き物ってのはこれだけで死ぬもんだよ」
サーヴァントならば、俺みたいに直ぐに倒れる事はないだろうが、どこまで耐えられるか。
「旦那ぁ、やらせてもらうぜ!」
「良いだろう。仕留めるがいい、魔弾の射手よ」
右腕に装着した緑と紫の弓に魔力が集まっていく。アーチャーの宣言は、それの真価の使用だった。
「毒血、深緑より沸き出ずる!」
放たれた矢は毒々しい魔力の尾を引きながらアーチャーへと迫る。手にしている干将・莫邪で叩き落とそうとするが矢の勢いを弱めることも無く矢に砕かれ消滅する。そして避けることもままならず、アーチャーはその矢を腕に受けた。
「があああああああぁぁぁっ!」
アーチャーは苦痛を隠さない叫び。普通の矢が直撃しても、こんな叫びは出ないだろう。
どうやら今の一撃こそ緑アーチャーの宝具祈りの弓の真の能力。見たところ敵の毒を体内で爆発させ、瞬間的に大きな損傷を与える。
そしてその毒の回りを早めることで敵の死期を格段に早めるってところか。
「意外としぶといなぁ。ま、その状態なら動けねぇし、死ぬのも時間の問題だな」
「アーチャーよ。油断するな」
「了解。サーの旦那」
何処からともなくダンさんと緑アーチャーが姿を現す。最初の時と同じように四人が再び集まった。だが、状況は明らかに此方が悪い
まずいな、コードキャストを使われる前にアーチャーの毒をなんとかしないと。………………使う機会が全くなかったからかなりの不確定要素があるけどこの際これにかけるしかない。
「【cure()】」
昨日購買で手に入れた礼装【癒しの香木】に付属している魔術を発動させる。アーチャーは緑色の光に包まれ顔色も元に戻る。アーチャーはすぐさま干将・莫邪を投影し走り出す。
「いかん、下がれアーチャー!」
「へ?うおおっ!!」
斜め上から振り下ろされる干将・莫邪を一瞬でダンの指示に従った緑アーチャーは手にしたナイフで斬撃を受け流した。
傷を与えることはできなかったがアーチャーの様子見る限り成功だ。この礼装の魔術の能力は呪いなどの解除。毒も一種の呪いと同じだからもしやと思ったが、上手くいった。
「こりゃあ参った。俺の毒を解呪したってわけか。ははは!」
俺がアーチャーに解呪したのを理解したのか腹を抱え大笑いをする緑アーチャー。一見、ただ笑っているように見えるが
「………………おもしれえ」
黒い笑みを浮かべ俺たちを睨みつける。緑アーチャーの視線に射抜かれ
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