毒と鞘と夫婦剣
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……」
「ちょいダンナ!?別に答えなくってもいいやつだよ今の」
ダンさんが俺に同情してくれたんだろうか今の返しは。………………普通に返してくれただけなのに卑屈な考えに至ってしまう。そのようなやりとりがあったが長く続かず再び俺たちは口を閉ざし、沈黙が訪れる。しかし、今度はダンさんの方から沈黙が破られた。
「詮索するようだが、士郎君、君は年のわりに随分と戦い慣れているな」
「……………ええ、ここに来る前に色々とありましたから」
戦い慣れているかどうかはわからないが、聖杯戦争が終わって倫敦に渡った後でも色々とあったからな。内容は思い出せないが、冬木市でも争いごとが起きたっけ。
「時間があったらぜひ聞きたいものだ」
「そうだったらいいですね」
今から片方の死が確定している試合をするとは思えない程、さっぱりとした会話だった。それを聞いていた緑アーチャーはよほど自分の主がフランクに話した事が意外だったのか、大きく目を見開いている。
「おいおい、旦那も随分舌が回るんだな」
「集中しろアーチャー。これより赴くのは戦場だぞ」
「……俺には厳しいねぇ」
「まったく、マスターが立派なのにサーヴァントがコレとはマスターとサーヴァントの立場がまるで逆だ」
遠回しに俺は立派じゃないって言いたいのかこいつ。?自分でもわかっているが、やはりこいつにだけ言われると腹が立つ。俺も立派じゃないとわかっているからなにも言わないが。
「逆であるならどんなに楽か!うちの旦那はちょいと潔癖すぎてね、英霊らしからぬオレとしちゃあ困りもんだ」
緑アーチャーは冗談とも本気とも取れる態度だが、本心は俺にはわからない。緑アーチャーは俺の方を向き問いかけて来た
「なあそっちのマスターさんよ、闇討ち不意打ち騙し討ちは嫌いかい?」
「……………否定は、したい」
緑アーチャーの質問に少しだけ考え答えを出す。できることなら正面からといきたいけれど、正直一回戦をその卑怯なやり方ともいえる遠距離からの不意打ちで突破したなんとも言えない。……闇討ちも、不意打ち、背後からなんて結構当てはまってるな。
「私は賛成だ。結局のところやらなければこちらがやられるだけだ」
「おっ!意見があったな。無防備な背中を後ろからシュッパーンっとね。アーチャーの面目躍如ってワケ。理想やら騎士道やら、そんなの重苦しいだけで、死に際は身軽じゃなくっちゃね」
弓兵というクラスだけあるのか2人は何処かにている気がする。だが、似ているだけで同じというわけではない。敵対している上に緑アーチャーは言動から察するにニヒリストだ。アーチャーとは相容れないと思う。
「楽しいそうだなアーチャー。しかし、この戦いでは儂の流儀に従っ
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