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無欠の刃
下忍編
君麻呂
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通りなのだろうが、プライドが高い彼は頼み込みたくないのだろう。
 それを予想していたカトナは、再不斬を無視し、白を見つめる。

 「依頼形式なら、助ける」

 カトナは理由もなく目の前の人物を救えない。ナルトが望めば救えるが、ナルトにとって彼らは敵だ。心の底から敵でも救いたいとナルトが思わない限り、カトナは動けない。そして今のナルトがそこまで望むことはないだろう。
 ならば、依頼形式ならば、カトナは受けれる、化物は納得させれる。
 そんな思惑を抱えているとも知らず、白は告げる。
 再不斬が今望んでいることを、再不斬の思うがままに告げる。
 
「木の葉の里に依頼します」
「内容、報酬は?」

 カトナが白を見つめる。
 カトナにとって、木の葉はナルトの故郷である。イメージアップはどんな時でも図るべきだし、何よりも、『いいことをすれば、いいことがかえってくる』というのが、父親の座右の銘だ。
 カトナがここで君麻呂を治療するといいことをすれば、きっと、いいことはナルトに返ってくる。希望的観測…だが、カトナは知っている。
 因果応報。この言葉こそが、世の中すべてを表す魔法の言葉だという事を、カトナは両親の生き方から知っている。希望的観測ではなく、予測ではなく、純然たる事実と知ってしまっている。
 ならば、カトナはするしかないだろう。

 「内容は、君麻呂君を治療すること」

 不安が白の心臓を駆り立てるが、しかし、同時に白は確信する。
 目の前の子どもが絶対に君麻呂を助けてくれることを、白は確信している。
 自分の王の為に人を殺すカトナならば、自分の王の為に君麻呂を治療してくれることを、白は同じく道具としてわかっていて、そして、そのもくろみは正解していた。

「報酬は…あなたの望むもので」
「ガトーの首。ついでに、ガトーの資産の二割」

 即答。その言葉に、白は予想していたというように頷くと、千本を構え、こちらに近づいてきて、再不斬を馬鹿にする男の姿を、絶対零度の瞳でとらえた。
 その目には、純粋な殺意だけが詰められている。

「なら、今すぐ払います。だから、僕が戻るまでに君麻呂君を治療してください」
「…依頼だからね、助けるよ」

 そういって、カトナは自分の長い袖をまくると、君麻呂の腹部に手を当てる。
 経絡系はずたずた。自分が言った忠告を完全に無視したらしい。腕の方のチャクラはもう流れていない。自分の大切な人を守るために命を賭けようとした、馬鹿だけど、愚かしいけど、とても素敵な人だと思い、カトナは集中する。
 死なせるわけにはいかない、木の葉の忍びとしてこの依頼は絶対に成功させる。
 化け物の自分はそう言ってる。
 それ以上に、何よりも、彼のことを救いたいと、人間としての自分がさけぶの
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