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無欠の刃
下忍編
君麻呂
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 子供が飛び出て、首切り包丁の柄に飛び蹴りをかます。
 いきなり突貫してきた、予期せぬ再不斬の体が僅かに揺らぎ、包丁の矛先がずれて橋に落とされる。
 再不斬さん!! と叫んだ白は、その子供を目にする。
 金色の髪の毛と青い目をした少年。
 白の目が見開かれ、既視感を訴える。
 そうだ、彼は。
 あの時、再不斬を療養させていた場所の近くの森にいた、少年。忍びであると言っていた、家族を守るために戦うんだと、言っていた。

『君は、誰か大切な人がいますか?』
『いるってばよ! サクラちゃんに、サイに、カカシ先生に、ヤマト先生に、イルカ先生に、チョウジに、シカマルに、じいちゃん! あと、サスケのやつも』

 そこで言葉を切ると、天真爛漫な笑みを見せて、ナルトは言い切った。

 『それに、カトナ』

 そう言って笑って、彼は守りたい人だと笑っていた。きっと彼は強くなるだろうと、その笑みを見た時、白は悟った。きっといつか、白よりもずっとずっと強くなって、大切な人を守れる子になっているだろうと、そう思った。
 その少年がいることに驚きを隠せず、目を見はった白は、それでも何とか意思を保ち、センボンを投げる。
 金色の少年に向かって真っすぐ放たれたセンボンは、突如、橋から火柱が立つ様に出現した赤いチャクラにより燃やされる。



 「人の弟に、てぇ、出させると思う!?」



 カトナの怒号が響き、統率された赤いチャクラが全身を焼きながらも、再不斬の体を突き飛ばすと、君麻呂の姿を黙視し、蠢く。
 同時に、ナルトの目が赤く光り、引きずられるように九尾のチャクラが漏れかけたが、それをカトナが許すはずがなく、すぐさま、九尾のチャクラを支配下に置き、抑え込んだカトナは、唸る様に声を出す。

 「!? 何で、チャクラ使って!!」

 そういいながらも、チャクラで形成された尾で器用に君麻呂を掴み、投げとばし、同時に骨をチャクラで焼いてカカシから引きはがさせると、カカシをサクラに投げ渡す。
 カトナの横にいる白めがけて苦無を投げようとしたサクラは、カトナの挙動を見て思わず立ち止まる。
 当初の予定では、サクラの上に落ちる筈だったカカシが、サクラが立ち止ったことにより、何もない場所に落ち、衝撃を受ける。
 息を詰まらせつつも何とか耐えようとしたカカシだったが、しかし、衝撃が抑えきれず、呆気なく失神した。

・・・

 一方サクラは、目を白黒させたかと思うと、驚愕の声を上げた。

 「うえっ!?」

 突然上から落ちてきたカカシが地面に転がったのを、目を見開かせたサクラは、自分の教師が如何に危険な状況なのかを知り、慌てて掌にチャクラを纏わせた。
 見た限り、急所にあたったような深い傷はない。サク
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