第2話 別れと出会い
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リー叔父は慌ててレーナ叔母さんに駆け寄ったが、理由が怪我ではない事は一目瞭然であった。
「い、イタタタタタ」
「お、おいレーナ……」
グレゴリー叔父も何が理由かはわかっているんだろうけれど、当事者としては“初めての経験”だろうから軽くパニくっている。
傍から見ていると、あれほど哲学的な事を言っていた叔父が、妊婦の妻の出産でこれほど慌てているのは面白い。が、面白がっている場合でもない。
とにかく俺は叔母の傍に付いているよう叔父に言うと、埋め込み式ソリヴィジョンの電源を入れ、救急車を呼び出した。叔母の状況を手短に伝えると、画面の向こう側に映る応対用の仮想人格は小さく頭を下げ、救急車の到着時間と搬入先を伝えて消える。代わりに画面には妊婦に対する応急処置についてのマニュアルと、救急車の到着時間までのタイムウォッチが現れた。
後日、
「二八歳の大人より一〇歳の坊やの方がよっぽど頼りになるとは残念だねぇ」
とレーナ叔母さんが言ったとか言わなかったとか。
宇宙暦七七四年七月一八日 グレゴリー=ボロディンに長女誕生。アントニナと名付けられる。
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