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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos36とある少年のハッピーバースデー〜Interval 5〜
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「あ、お疲れ様です、フィオーレ三尉」
「お疲れ様です、ルシル君。いらっしゃい、すずかさん」
シャルの研修教官を務めるフィオーレ・マクス・ミッシール三等陸尉だ。俺たち八神家も一度フィオーレ三尉に付いて捜査現場を訪れ、そして犯人を捕まえたこともある。その時にフィオーレ三尉のレアスキルを見たが・・・。見た瞬間、大戦時に名を馳せた魔術師を思い出した。プリムス・バラクーダ・ウトガルド。あの子のあの魔術を・・・。ま、偶然だろうがな。
「お邪魔しています!」
レアスキルや固有スキル保有者は、上級キャリアなどの昇級試験において特別措置が受けられる。早い話が未保有者より試験に受かりやすくなっている。ゆえにエリート思考の持ち主も多く、スキル未保有者を見下す奴も居る。
とある契約にて管理局のような組織、能力者・未能力者を抱えた軍部に就いた時は酷い差別があったものだ。まぁ、そう言った連中は、粛清の権限を持っていた俺が張り倒ししてやったが。
話が逸れたが、そう言ったエリート集団である特別技能捜査課のメンバーにはそう言った感情はない。誰もが等しく管理局に務める仲間として見ている。だからこの1ヵ月で出会った部外者とも言うべきなのは達みんなに対して本当に優しく接してくれている。
「お疲れ、エレフ」
「お疲れ、フィオ。これからお昼だけど、一緒にどう?」
「ごめん。お弁当持参だから」
「さっすが将来の夢がお嫁さ――」
「わあわあわあわあ!!」
エレフテリア二尉とフィオーレ三尉の
喧騒
(
じゃれ合い
)
をBGMにすずかの回復を続けながら、「ルシルぅ〜、わたしも疲れたぁ〜」と俺の右肩に頬ずりしてくるシャルに「ちょっと邪魔」と軽く注意。
「ひどい! わたしだって執務官補と捜査官の二足のなんとかなのに!」
「二足の草鞋だよ、シャルちゃん」
「そう、それ!」
シャルはクロノの執務官補佐を続けながら捜査官の研修生をしている。4月になれば正式に次元航行部から特別技能捜査課へと転属となる。それまでは二足の草鞋が続く。確かに疲労度から言えばすずかと同程度か。
一応、執務官補の試験をパスしているため捜査官としては俺やはやて達よりは先輩だが、それでも捜査の経験――ノウハウが足りていないため、先輩特別捜査官であるフィオーレ三尉に付いて現場で捜査を学んでいる。
「よし、完了だ、すずか」
「ありがとう、ルシル君。心も体もスッキリだよ♪」
体を起こしたすずかはソファから立ち上がり、ソファに掛けられていた
局の制服
(
うわぎ
)
に袖を通す。ちなみに俺も制服を着ている。色は茶。これが基本的な管理局員の制服の色。研修生は配属が次元航行隊であろうと先ずはこの茶の制服を着ることになっている。だからシャルも今は青ではなく茶の制服
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