第二十一話 菖蒲の友人その十五
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「見切らせてもらったわ」
「そしてそこからか」
「攻め方がわかったわ、貴方のね」
「言うものだ、ではどうして俺を倒すのか」
それもというのだ。
「見せてもらおうか」
「そうさせてもらうわ、これからね」
菖蒲は上を見上げながら答える、その菖蒲の真上に。
怪人は来た、そしてそこから直角にだった。
急降下攻撃に移った、その怪人に。
菖蒲はまた攻撃を放った、今度の攻撃は。
氷ではなかった、水だった。その水で。
怪人を撃った、それは只の水だった。攻撃力はなかった。
だがその重さでだった。身体特に翼についた重さで。
怪人は動きを鈍らせた、急降下攻撃の中で。
それが怪人の動きに影響が出た、菖蒲を攻めようとしたところで。
拳もだ、彼が気付かないうちに。
鈍りだ、そして。
菖蒲はかわせた、それと共に。
菖蒲に身体を向けたまま飛び上がり急上昇し下の場所に戻ろうとする怪人だったがその動きも水の重さで鈍っていた。その怪人に対してだった。
菖蒲は剣から再び氷の刃を放った、すると。
その刃が怪人の背中を斬った、その一撃でだった。
怪人は倒れそうして地に倒れた。だがそれでも何とか起き上がったが。
その背中に青い符合が出ていた、それが何よりの証だった。菖蒲はその符号を確認してから怪人に対して言った。
「言った通りになったわね」
「そうだな」
その通りだとだ、怪人も認める。
「俺は敗れた」
「その通りね」
「見事だ、まさかな」
「水を使うとは思わなかったのね」
「そうした戦いもあるのか」
「鳥は確かに飛べるわ」
その鳥の力を宿している怪人もだ。
「それはその通りよ」
「だから俺も強いのだ」
「ええ、けれどね」
「それでもか」
「その飛ぶにあたってはね」
鳥のそれ、それもだというのだ。
「絶妙なバランスがあるから」
「そのバランスを崩したのか」
「そう、バランスさえ崩せば」
それでだというのだ。
「鳥の戦力は大きく落ちるわ」
「そういうことだな。そしてか」
「鳥の刃根は水をよく吸うわ」
羽毛の特徴だ、水鳥の刃根は別だが。
「それを水を重しにして」
「俺の動きを鈍らせ」
「そしてそれを使って」
まさにというのだ。
「貴方を倒させてもらったわ」
「そういうことだな」
「そうよ、それで勝たせてもらったわ」
「頭がいいな」
「戦いは頭脳よ」
それでするものだとだ、菖蒲も認める。
「それで戦いそのうえで」
「勝つものだな」
「そう、だからこそ私は勝てたわ」
「そういうことだな、では俺の負けだ」
その通りとだ、怪人も言う。
「ではこれでな」
「去るのね」
「俺はもう終わりだ」
これでだとだ、怪人も認めてだった。
そし
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