第二十一話 菖蒲の友人その十三
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「違うかしら」
「確かにな。こちらとしてもな」
「私達を倒すつもりはあっても」
「興味があるのは貴様等だけだ」
力の持ち主だけだというのだ。
「その他のことには興味がない」
「私の友達にも」
「全くだ」
興味がないというのだ。
「どうでもいい相手だ」
「それはいいことね。私達にしてもね」
「周りを巻き込みたくはないわ」
「そういうことだな」
「人知れず戦うね」
「そして人知れず死ぬのだ」
そうもなるというのだ。
「覚悟はいいな」
「その言葉はそっくり返すわ」
菖蒲は怪人の今の言葉にはこう返した。
「倒されるのはそちらよ」
「自信家だな」
「自分の実力はわかっているわ」
「それで言った言葉か」
「そうよ、ではな」
「姿を表せということだな」
「また言うけれど今周りには誰もいないわ」
その姿も戦いも見られることはないというのだ。
「だから出て来るといいわ」
「わかった。ではな」
ここで菖蒲は上を見上げた、気配がそこに動いたからだ。するとそこにいたのは。
漆黒の羽毛がある姿にだ、人間の手足があり。
そして翼があり顔は鳥のものだった。今度の怪人はというと。
「烏ね」
「如何にも」
怪人は空に羽ばたきながらその通りだと答えてきた。
「俺は烏の怪人だ」
「空ね」
「空から攻めることは強い」
下にいる菖蒲を見据えながらの言葉だ。
「貴様は既に敗れている」
「確かにね」
菖蒲も不利な状況であることは認める、己の上空にいる烏の怪人を見上げてそのうえで相手に対して答えてだ。
「状況は私の方が不利ね」
「だからだ、貴様は俺に倒される」
「このままだとね」
ここでこう言った菖蒲だった。
「そうなるわね」
「このままだと」
「ええ、言った通りよ」
「言わないか、その辺りは」
「それは闘いで見せてあげるわ」
「そういうことか。ではな」
「はじめましょう」
菖蒲はその右手に剣を出した、そうして。
構えを取る、怪人はその菖蒲に対して急降下してきた。烏のその嘴で菖蒲を貫かんとしてくる。
だが菖蒲はその一撃を身体を左に捻ってかわす、そして。
その怪人に剣での突きを入れる、だが。
怪人は今度は急上昇しそうしてその一撃をかわした、再び宙に上がり菖蒲に言って来た。
「残念だったな」
「急降下、そして急上昇ね」
「これが俺のやり方だ」
戦い方だというのだ。
「烏のな」
「まさに鳥の戦い方ね」
「上からスピードをつけて攻撃を仕掛けてだ」
「そして素早く間合いを離す」
「この攻撃は無敵だ」
「確かにね。だから鳥は獲物を捕まえやすい」
「その通りだ」
「そしてこちらの攻撃も」
陸からの反撃も、というのだ。
「かわせるわね」
「
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