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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第九幕その四
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「まことに」
「もうイギリスのあのおトイレと一緒になっているお風呂は」
「入られませんね」
「おトイレとお風呂は別々でないと」
「違いますね」
 何かが、というのです。
「本当に」
「そう思える様になりました」
「元々カワウソは水が大好きで」
 カワウソさんにとってこのことはどうしても外せません、何しろ元々水辺で暮らしている生きものなのですから。
「お湯でもお水ならば」
「お好きですね」
「本当に」
 それ故にというのです。
「日本の綺麗なお水を知ると」
「離れられないですね」
「そうなりました」
 もう完全に、という言葉でした。
「その意味でも日本から離れられなくなりました」
「そうですか」
「しかもです」
 さらにというのでした。
「お魚も美味しく海のものも川のものもあって」
「どちらも楽しめて」
「蟹や貝もいいですね」
 そういったものの味も、というのです。
「広島の方では牡蠣が有名でしたね」
「はい、あちらは」
「今度一族全員で広島に行きまして」
「牡蠣を楽しまれますか」
「そうも考えています」
「それはいいことですね」
 先生は老紳士の牡蠣を食べたいという言葉に笑顔で応えて言いました。
「日本の牡蠣は絶品ですが」
「その中でもですね」
「はい、広島の牡蠣は最高です」
「では先生も」
「まだ広島に行ったことはありませんが」
 それでもとお話するのです。
「広島の牡蠣は食べたことがあります」
「それが凄く美味しかったのですね」
「そうです、おそらくこの松山でも売っていますので」
「海を挟んですぐそこですからね」
「召し上がられたらいいです」
 是非にというのです。
「ですから」
「わかりました、それでは」
「はい、広島に行かれることもいいですが」
「この松山でもですね」
「広島の牡蠣を楽しまれて下さい」
 是非にというのです。
「後悔はしません」
「それでは」 
 こう笑顔で牡蠣のことをお話するのでした、そしてです。
 実際にです、加藤さんは先生にこんなことを言ってきました。
「では先生、今日の夜はです」
「夕食の後で、ですね」
「牡蠣と一緒にお酒を」
「飲みに行くのですね」
「どうでしょうか」
 こう笑顔で提案するのでした。
「悪くないと思いますが」
「そうですね、それでは」
「はい、夕食の後で」
「まずはお風呂に入って」
 晩御飯の後で、です。
「それから食べに行きましょう」
「いいですね」
「松山は本当に美味しいものが多いのですね」
 ここでなのでした、老紳士は唸る様に言いました。
「まことに」
「はい、僕もはじめて来ましたが」
「それでもですね」
「美味しいものばかりです」
「素晴らしい街ですね」

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