第六章 正義の在り処編
第百八十話 『幕間 ミゼ・フローリアンの出世街道』
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Side ミゼ・フローリアン
シホさん達機動六課が何かしらの新情報を掴んだのだろう、フェイトさんから通信が入ってくるなりシホさんは急いで機動六課へと帰っていった。
それを私は隊舎の外で見送りながら、ふと訓練場へと足を運ぶ。
そこでは様々な魔術の訓練光景が目に入ってくる。
時には属性による直接ダメージから始まり、自作したのであろうゴーレムを操って戦うものや、手から糸でも垂らして操作しているのだろう武器が空を行き交っている。
その中で特に目に入ったのがアリサさんが拳や足に属性ゆえの炎を纏わせてアサシンさんと武術による訓練をしているというもの。
アリサさんは昔からシホさんに師事を受けてきたこともあり、その格闘センスは魔術事件対策課の中でも1、2位を争うほどの腕前である。
アサシンさんもアリサさんの成長が嬉しいのか、たまにではあるが口元を綻ばせて、
「やりよるな、アリサ。儂の攻撃を訓練とはいえこう何度も受け流すとは………もう鮫島より強くなっているのではないか?」
「それが心の底からの言葉なら本当は嬉しいけどね、アサシン。でも、本当のことを言いなさい。あたしはまだまだだって、アサシンから一本を取るまではあたしはこの鍛錬は緩めないわよ!」
「くくっ、よかろう。ならば言わせてもらおう」
そう言ってアサシンさんはアリサさんの下段からの足による振り上げをその手で掴んで、まるでムチを打つようにアリサさんを一回空に浮かせてそのまま叩きつけた。
あれは相当痛そうだ……。
「あぐっ!?」
「まだまだだな。クンフーがなっておらん。昔に比べれば多少はよくなってきておる。だがまだまだこの程度で満足されては儂は師匠として許さんぞ」
アリサさんは肺から空気を吐き出した後に、少ししてから立ち上がり、汚れたところをパンパンと叩きながらも笑みを浮かべ、
「わかっているわよ、アサシン。だからもっとあたしを強くして! シホのように強くして!」
「その意気や良し。ほれ、まだまだやれるであろう?」
「当然よ! ついでにそのマスターをからかう根性を叩き直してあげるわ!」
「呵呵呵! 大口を叩きおる!」
そう言ってアリサさんはまたアサシンさんに挑んでいくのであった。
……これはまだまだ続きそうである。
これは、機動六課と合同捜査になったことを伝えるのは後でいいわね。
それから私は部隊長室へと戻り、今日の作業を軽く済ませてからロッテが淹れてくれたお茶が入っているポットが置かれていて触ってみるとまだ少し温かいのでそれをコップに注いで飲みながら一息つく。
思えば、ここまでやって来るまでに色々と苦労をしたわね……。
それで私はここ十年の出来事を回想し始める。
◆◇―――――――――◇◆
あの
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