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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十一話  地球制圧
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んなつもりじゃなかったんだが……。
「但し、念のため監視は付けて有る。つまり広域捜査局にとっての負担は減らない」
気が滅入るわ。ウンザリだ。

「地下に潜った信徒は居るのか?」
俺が尋ねるとフェルナーの顔が歪んだ。
「分からない、分からない以上居ると考えて捜索している。広域捜査局が一番心配しているのはその連中がサイオキシン麻薬の禁断症状から暴発するんじゃないかという事だ」
また溜息が出た。そうなれば一般市民に犠牲が出る事になる。

「広域捜査局から地球に潜入した捜査員が二人いたな、どうなった?」
「連絡は無い。それどころじゃない、そんなところだろうな」
フェルナーが面白くなさそうな表情で答えた。つまりその二人は地球教の操り人形になった事が確定したという事だ。地球教を弾圧し始めたが惨憺たる有様だな。到底勝ち戦とは言えない。もっと早く叩き潰すべきだった、地球教の恐ろしさを誰よりも知っていたのに……。連中を一番軽視したのは他でもない、俺か。落ち込むわ……。

「その二人の件、ワーレン提督に報せてくれ。地球教が二人を使って帝国軍を混乱させる可能性が有る」
「分かった、直ぐ報せる」
「他には?」
「今の所、他には無い」
この野郎、未だ隠すか。

「アントン、ワーレン提督が地球教徒に襲われた時に犠牲者が出たと聞いた。本当か?」
顔色が変わったな、フェルナー。キスリングも変わっている。こいつも知っていて隠したか。
「事実なら何故私に報告が無いんだ? アントン、ギュンター」
「……」

二人とも答えない。分かっている、こいつらは俺を気遣ったのだ。報せれば俺が苦しむと思った。そして今黙っているのは俺が気遣われるのを嫌がると分かっているからだ。分かっているならやるなよ。
「二度とするな。私に気遣いは無用だ。良いな」
二人が頷いた。

「済まない、隠すつもりは無かった。ワーレン提督から何らかの成果が上がったのを確認してからと思ったんだ」
フェルナーがしょんぼりしている。こいつには似合わない表情だ、演技だと思おう。そうじゃないとこいつらのやった事を認めてしまいそうだ。

「馬鹿な事を言うな。犠牲に見合う成果が有れば私が納得すると思ったか? 犠牲が出た事実は変わらないんだぞ。アンスバッハ准将にも気遣いは無用だと言ってくれ。今回は不問にするが次にやれば処分をする。早急にあの一件の報告書を出せ」
二人が頷いた。

「ギュンター、フェザーンで動きは?」
「今の所は無い」
「フェザーンから目を離さないでくれ。帝国だけじゃない、同盟でも地球教は排斥されている。彼らが逃げ込む先はフェザーンしかない。フェザーンにはルビンスキーも居るからな」
キスリングが頷いた。ルビンスキーは必ず地球教を使って騒乱を起こす。

連中がフ
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