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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十一話 地球制圧
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も書類が来ている。装甲敵弾兵による模擬戦闘? 見に来いって? 目的は新たに開発した新型装甲服の機能性の確認? ようするに新旧の装甲服を着させての模擬戦か。俺に効果を確認させて新型装甲服を早期導入させようって事だな。予算獲得が狙いか。新装甲敵弾兵総監としては腕の見せ所というわけだ。本人は地球教討伐に行きたがっていたが部下に任せろと言って却下したからな。総監らしい仕事をし始めたじゃないか、リューネブルク。良いだろう、見に行こうか。出兵も間近に迫っている。新装備の御披露目が次の遠征になるかもしれないな。
三十分程書類を見ているとフェルナーとキスリングが現れた。一緒に待ち合わせて来たらしい。二人を応接室に誘った。飲み物は二人にはコーヒー、俺は冷たい水だ。二人が美味そうにコーヒーを飲んだ。そういえばここのコーヒーはかなりの上物だと言っていたな。
「アントン、地球教についてだが新たに分かった事は?」
俺が問うとフェルナーは軽く息を吐いた。
「残念だが余り良い報せは無い。先ず捕虜にした地球教の信徒達だが社会復帰は無理だ。この先は薬物依存症の治療という名目で檻の中に入れるしかない。檻から出る事は無いだろう、というより外に出すのは危険だ。犯罪を犯しかねない」
今度はキスリングが息を吐いた。やはりそうなるか、昔サイオキシン麻薬の摘発に関わった。その時患者の治療状況も確認した。サイオキシン麻薬治療センター、病院のような名称だが実際には監獄だった。サイオキシン麻薬への依存の酷い患者の殆どは拘束状態にあった。そして地球教の信者は洗脳されるほどに依存は酷い……。
「治療費も馬鹿にならないだろうな」
「ギュンター、俺達はその事で困っているよ」
何だ? 妙な事を言うな、フェルナー。
「治療費を払う人間が居ないんだ。一人暮らしや身寄りの無い人間ばかりを選んでサイオキシン麻薬を投与したからな。治療費は政府持ちという事にならざるを得ない」
溜息が出た。地球教の奴ら本当に碌な事をしない。好き勝手やって尻拭いは帝国にさせるか、あのクズ共。信徒を放り出せば犯罪を犯す、それを防ぐためには監禁するしかない。ルドルフなら全員殺しただろうな、麻薬に溺れる劣悪遺伝子を持っているとか言って。一番シンプルで安上がりで後腐れの無い解決策だ。
だが俺には出来ない、いや今の帝国はそれをすべきではない。劣悪遺伝子排除法とは決別したのだから。治療にかかった費用はいずれ地球教に請求する。連中の活動資金をそのまま治療費にしてやる。ワーレンには金目の物を探させよう。嫌がるかな。
「一般の、サイオキシン麻薬を投与されなかった信徒達だがいずれも地球教の真実を知って離れているよ」
「……地球教関連で初めて聞いた明るい報せだな」
フェルナーが肩を竦めた。いかんな、幾分皮肉が入った。そ
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