第二章
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第二章
「大丈夫かね、暴走しないか?」
「確かに告白すべきにしてもな」
「暴走は駄目なんだけれどな」
「安心できないな」
「かなりな」
こう言い合ってだ。彼等は不安なものを感じずにはいられなかった。だがそうした話をしている間にだ。剛士はその場所に来たのだった。
四角く赤い建物だった。入り口も何もかもテンプレと言っていいファミレスである。そののぼりも書かれている宣伝もだ。まさにテンプレだった。
「ふうん、千五百円で食べ放題な」
「カレーフェスタねえ」
「じゃあカレー食うか?」
「そうするか」
友人達は中に入ったらそれを頼もうと話をした。
「カツカレーがいいかな」
「エビフライカレーも美味いぜ」
「ハンバーグカレーもな」
「俺はカレーはいい」
剛士は今はそのだ。カレーを見ていなかった。
そうしてだ。こう言うのであった。
「あの娘をな」
「その娘に告白するんだな」
「カレーは今はいいのかよ」
「食い物はいいんだな」
「ああ、そんなのいいさ」
全くだ。興味を見せてはいなかった。
そうしてだ。また言う彼だった。
「特攻するぜ」
「そこまで言うんなら頑張れよ」
「いいな、やれよ」
「気合入れよよ」
彼等もだ。ここまで来れば背中を押すしかなかった。こうしてだった。
花束、しかも紅の薔薇を花束を手にしている剛士を先頭にして店に入った。するとだ。
黒く丈の短いフリルのスカートに白いエプロンとカチューシャ、そして同じ色のハイソックスのウェイトレスが来た。その彼女こそだ。
友人達がその外見を見てだ。すぐにわかった。
「この娘だな」
「ああ、そうだな」
「間違いないな」
こうだ。言い合うのだった。
「一河の言う通りの外見だよな」
「髪は黒くて長くて」
「しかも結構小柄で」
「おまけに目は大きくてしかも声は元気がいいな」
「間違いないな」
確信だった。まさにこの娘こそがだ。
「一河の好きな相手か」
「そうだな、間違いないな」
「それならか」
「早速か」
「いらっしゃいませ」
だが、だった。彼女の方からだ。
笑顔でだ。彼等に一礼してきたのだ。そうして入店の挨拶をしてきた。
「何名様でしょうか」
「四人です」
友人の一人が話した。それを聞いてだ。
ウェイトレスは笑顔で応えてきた。
「それならこちらの席にどうぞ」
彼女が案内する。そこは。
窓側の席だった。四人用の席だった。席は店の外側と同じく赤い。だが外が黒がかった赤、何処か煉瓦を思わせる赤だったのに対して席の赤は鮮やかな赤だった。
その赤い席に着くとだ。早速だった。
案内をした彼女がだ。彼等に尋ねてきた。
「ご注文は」
「カツカレー御願いします」
「海老フライカレーを
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