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妖精の義兄妹のありきたりな日常
水泳大会その後
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送っていくが。」
「いえ、私はまだ片付けとかもやるので今日はお兄ちゃん家に泊めてもらおうかと。」
「そうか、じゃあ、また明日な。」

ガチャ バタン

そう言い残してグレイとエルザたちもタクヤの家をあとにした。































「ふう。これで洗い物は終わりだね。」
「はい。ありがとうございました。」
ウェンディとシャルル、エマは食器を洗い終わり、エマとシャルルがお茶でも入れると言って、
ウェンディを先にリビングに向かわせた。
「おう、お疲れ。」
「うん、ありがとう。」
そう言ってウェンディはタクヤの横に腰を落とす。
「………。」
「………。」
二人の間に長い沈黙が訪れた。
(「…き、気まずい…。」)
タクヤは心の中で叫んだ。
(「なんで喧嘩したみたいな状態になってんだ!!?元はと言えばグレイのヤローが…、」)
「お兄ちゃん…。」
「お!?おう、なんだ?」
何故、こんなにドキドキしなくてはいけないのか、タクヤは思考の迷宮をさまよい続けた。
「さっき、本当はどんな話をしてたの?」
「だ、だから、好きな子の、」
「お兄ちゃん、嘘をつく時はいっつも左斜め上に目線が行くもん。」
(「そ、そうなのかー!!!?」)
タクヤは自分の隠れた特徴を知り驚いた。
「どんな話をしてたの?」
「いや、えっとだな…。」
タクヤは少し考えた。だが、それはすぐに終わった。
(「…しかたねーか。」)
そして、タクヤは一つ溜め息を吐いてウェンディに向き直った。
「実はな、ウェンディがその、オレに気があるんじゃないかって話してたんだよ…。」
「……。」
「いや!!だからちゃんと行ってやったぜ!!!そんな事はねぇーって。」
「ダメ…。」
「え?」
タクヤはウェンディの言った事が聞こえず再度聞いてみた。
「ううん。やっぱり何でもない。私疲れちゃったからもう寝るね。おやすみ。」
「あ、あぁ、おやすみ…。」

ガチャン

そうして、ウェンディは一足早く寝室に向かった。
ちょうどその時、紅茶を淹れてきたシャルルとエマが戻ってきた。
「あら?ウェンディは?」
「さっき、疲れたからって先に寝たぜ。」
「そうなんですか。せっかく紅茶を淹れて来たんですが仕方ないですね。」
















「やっぱり、ダメなのかな…。」
ウェンディはドアを閉め、その場に立ち尽くしながらそう呟いた。

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